「JAPAN RUGBY LEAGUEONE」(リーグワン)は、いよいよプレーオフトーナメント(PO)に突入する。準決勝カードはリーグ戦1位の東京サントリーサンゴリアスvs.同4位の東芝ブレイブルーパス東京、同2位の埼玉パナソニックワイルドナイツvs.同3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。いずれもリーグ終盤戦に対戦したチームのリマッチとなる。

 

 共に府中市を本拠とする東京SGとBL東京は21日、東大阪市花園ラグビー場を舞台にした“府中ダービー”でPOを迎える。両軍は開幕節で対戦。東京SGは新加入のダミアン・マッケンジーらの活躍で60-46と快勝。そのままスタートダッシュに成功した。一方のBL東京は尻上がり。第7節終了時点では負けが先行していたが、第11節からの6連勝でPO枠4位を確保した。第15節では東京SGに27-3と雪辱を果たしている。

 

 前身のトップリーグ(TL)開幕以降の対戦成績はBL東京の15勝14敗(2008年度日本選手権の東京SG不戦勝は除く)。トーナメント戦(マイクロソフトカップ、プレーオフトーナメント、日本選手権)は5勝4敗。今季は1勝1敗。いずれにしても勝敗の読みづらい戦いになりそうだ。

 

 東京SGは不戦勝2を含む14勝2敗で勝ち点66を重ね、リーグ戦をトップで通過した。リーグNo.1の得点数、トライ数から分かるように代名詞のアグレッシブ・アタッキングラグビーは遺憾なく発揮された。リーグワン得点王のマッケンジーをはじめどこからでもトライをとれる攻撃陣だ。不戦勝分(63得点)を除く実質の1試合平均得点でもリーグトップの39.5点。対戦相手にとって脅威となることは間違いない。

 

 BL東京は持ち味のFW戦からパスラグビーへの転換を図った。JSPORTS ラグビーサイト掲載のリーグワンチームスタッツランキングではボールキャリー、ゲインメーター、オフロードパスでトップ。共同主将の1人、SH小川高廣も「今年はBKのチーム」と語っていたようにWTBジョネ・ナイカブラ、CTBセタ・タマニバル(準決勝はWTB起用)らパワフルなランナーによるアタックが光る。

 

 直近の戦いでは勝利したBL東京。小川は「次が正真正銘の戦いになると思うので、しっかり準備していきたい」と気を引き締める。

「ここまで来たら、スキルうんぬんではない。どちらが勝ちたい気持ちが強いかが体をぶつけるところで出ると思う。その部分で圧倒する」

 

 いずれにしても今季3度目の“府中ダービー”は点の取り合う展開となるだろう。東京SGのSH流大と田村煕、BL東京の小川と中尾隼太、日本人ハーフ団がどうタクトを振るうかにも注目だ。

 

 準決勝第2試合は東京・秩父宮ラグビー場で、埼玉WKとS船橋・東京ベイが対戦する。本来は開幕戦で対戦するはずだった両チームだが、新型コロナウイルスの影響で埼玉WKが不戦敗。東京・国立競技場でのリーグワンオープニングゲームは幻となった。

 

 昨季TLラストシーズンの王者・埼玉WKは2試合不戦敗という窮地からスタートした。

それでも充実した戦力に加え、熟練のディフェンスで破竹の14連勝。戦った試合は負け知らずで、リーグ戦を東京SGに次ぐ2位でPOにコマを進めた。不戦敗分(42失点)を除く実質の1試合平均失点はリーグ最少の18.3点だ。キャプテンのHO坂手淳史は「前に出てボールを奪い、得点に結びつけるのが強み」と堅い守りから攻撃に繋げる。

 

 守備だけのチームではない。オーストラリア代表のマリカ・コロインベテ、最新の日本代表候補に入った竹山晃暉の両WTBに加え、リーグワントライ王CTBディラン・ライリーら優れたフィニッシャーを揃え、攻撃力も。準決勝でのSO松田力也とSH内田啓介の不在は若干気がかりだが、SO山沢拓也、SH小山大輝がカバーする。ランが持ち味のハーフ団が、アタック陣を牽引する。

 

 また埼玉WKは後半の強さが特長で、逆転勝ちも多い。選手層が厚いことに加え、HO堀江翔太をはじめ流れを変えられる選手がいることも理由だろう。スタメン出場し、堀江と交代するケースが多い坂手は「心強い存在。前半からすべてを懸けてプレーできる」と証言する。いつどこで誰を使うか。名将ロビー・ディーンズ監督の選手起用にも注目が集まる。

 

 昨季TLでチーム史上最高の4強に入ったS船橋・東京ベイは、「NEXT LEVEL」を掲げ、今季もTOP4入りを果たした。PRオペティ・ヘル、WTB根塚洸雅、SH藤原忍ら若手の台頭で選手層は厚くなった。TL06-07シーズン以来、埼玉WKに勝ち星はないが、「NEXT LEVEL」を証明するには格好の相手と言えよう。

 

(文・写真/杉浦泰介)