二宮: 現役を引退して5年が経ちますが、まったく体型が変わっていませんね。今もトレーニングされているんですか?
魔裟斗: 週に6日、ジムに通っているので、体重はほとんど変わらないですし、体脂肪率も7%くらいをキープしています。

二宮: 現役を引退した途端に、体型がかわってしまうアスリートは少なくありません。ファンとしてはちょっと残念に思ってしまうのですが、魔裟斗さんはやはり見た目にもこだわりを持っているんでしょうね。
魔裟斗: 昔から自叙伝を読むのが好きで、現役時代からいろいろな人の本を読んでいたのですが、なかでも東山紀之さんや郷ひろみさんの本を読んで、すごく影響を受けました。2人とも、まったく変わらないですよね。「オレも、現役引退しても、変わっちゃいけないな」と思ったんです。もう引退する前から、辞めたらどこのジムに通おうか決めていまして、引退試合の5日後には、近所のスポーツクラブに入会しているんです。

二宮: そういうところでも、意志の強さを感じます。生活のリズムも良さそうですね。
魔裟斗: 早寝早起きですね。朝は6時前には起きているので、遅くても10時には寝てしまいます。夜に一杯やって、気持ち良く眠りにつく。これが元気の源です。

二宮: やはりお子さんがいらっしゃると、朝型の生活になると?
魔裟斗: いや、実は現役時代から生活スタイルはまったく変わっていないんです。

二宮: どちらかというと、夜型のイメージがあったのですが……。
魔裟斗: 若い頃はそうでしたね。

  生活スタイルを変えた川奈合宿

二宮: 朝型になったきっかけは何だったのでしょう?
魔裟斗: 2007年、2度目の王座奪還を狙っていた時に、静岡県の川奈で合宿をしたんです。当時は土居進トレーナーとチームを組んで2年目だったのですが、土居さんの計画としては「3年かけて、鍛え上げる」と。その2年目に初めて合宿をしました。その時に、生活リズムの重要性を身に染みて感じたんです。

二宮: 土居さんは厳しいトレーナーとして有名です。
魔裟斗: 厳しかったですね。ボクシングもそうですけど、普通試合が終わるとしばらく休養に入るんです。ところが試合後、土居さんに「しばらくのんびりします」って言ったら、「ダメです」って言われたんです(笑)。「1週間は休んでいいけど、その後はすぐに練習を始めますから」って。3年間、ずっと試合後の休養期間は1週間だけ。あとはずっと練習していました。

二宮: 合宿のトレーニングも、相当厳しかったのでは?
魔裟斗: はい。例えば、午前中は心拍系のトレーニングとして、800メートルダッシュをするんです。多い時には10〜12本。しかも、ただ走るのではなく、タイムが決められているんです。速すぎても遅すぎてもダメ。タイム通りに走らなければならない。そのうえ、3分10秒、3分、2分50秒って、少しずつレベルが上がっていくんです。

二宮: そんな厳しいトレーニングを朝から夕方までみっちりと?
魔裟斗: はい。1日中、走り込みでしたから、もうクタクタ状態。だから、夜はご飯を食べて一杯やると、あっという間に寝ちゃうんです。面白いくらいに、コテッと(笑)。

二宮: それで朝型の生活スタイルが身についたと?
魔裟斗: そうなんです。というのも、いいことばっかりでしたから。それまでは何時間寝ても、翌日にも疲れが残っていることがよくあったんです。でも、早寝早起きになってからは、翌日にはすっかり疲れがとれて、元気なんです。一番驚いたのが、髪の毛まで違うんですよ。「あぁ、だんだん張りがなくなってきたなぁ」なんて思っていたのに、生活スタイルを変えた途端に、髪の毛に張りとコシが出るようになった。触ると、質感が全然違うんです。髪の毛ですら、こんなに回復するんだから、肉体への影響は相当だろうな、と実感しましたね。

二宮: それでも引退したら、気持ちが緩んで生活のリズムが崩れてしまう人もいます。魔裟斗さんは引退しても変わらず続けているというところがすごいですね。
魔裟斗: 一度、良さを知ってしまったものだから、もう昔の生活には戻れませんね。

 憧れは“タイガーマスク”と“ジャッキー・チェン”

二宮: さて、魔裟斗さんが格闘家になったルーツはどこにあったのでしょう?
魔裟斗: 子どもの頃、一番最初に憧れたのは漫画のタイガーマスクだったんです。それから、ジャッキー・チェンも好きで、中学時代に空手を習い始めました。

二宮: ボクシングジムに通っていた時期もあったんですよね。
魔裟斗: はい。高校を半年で中退したのですが、その理由が「オレはボクシングで世界チャンピオンになる」と(笑)。それで入ったのがヨネクラジムでした。ちょうど、川島郭志さんがWBC世界スーパーフライ級のチャンピオンになった頃ですね。

二宮: ヨネクラジムは練習生に廊下拭きを課すなど、厳しい指導で知られています。
魔裟斗: そうですね。そこで挨拶や礼儀作法を学ばせてもらいました。

二宮: 第1回エディ・タウンゼント賞に選ばれたのが、ヨネクラジムの松本清司トレーナー(故人)でした。松本さんの指導は受けましたか?
魔裟斗: はい。ギリギリ最後に教えてもらったという感じですね。僕がジムに入って、3、4カ月で松本さんは亡くなってしまったんです。亡くなった時のことは、よく覚えています。アルバイトを終えてジムに行ったら、やっていないんですよ。どうしたのかな、と思っていたら、ジムの入り口に棺桶が置いてあったんです。先輩に「松本さん、亡くなったんだよ」と言われて初めて知りました。

二宮: 松本さんとの一番の思い出は?
魔裟斗: 入会見学に行った時に、ワンツーやジャブを教えてくれたのが松本さんでした。その時、松本さんに「オマエ、やれるのか?」と聞かれたんです。「やれると思います」って答えたら、「思いますじゃ、ダメだ!」って言われたことが強く印象に残っています。

 3歳から日課となっている運動

二宮: ボクシングでの階級は?
魔裟斗: 当時の体重は67〜68キロくらいだったと思うんですけど、ゆくゆくはジュニアウェルター級でデビューしたいなと思っていました。

二宮: 結構、重い階級を狙っていたんですね。魔裟斗さんは、ガタイがいいですからね。
魔裟斗: 3歳の頃から水泳をやっていたのが大きいと思いますね。それから、空手、ボクシング、キックボクシングと、30年以上ずっと運動してきていますから、もう、体を動かすことが当たり前になっているんです。

二宮: 1日でも運動しないと、気持ち悪い?
魔裟斗: はい、ダメですね。

二宮: でも、さすがに試合の翌日は体を休めたのでは?
魔裟斗: いえ、走りにはいっていましたよ。

二宮: あんなに激しい試合をして、ダメージは残っていないものなんですか?
魔裟斗: いえ、ボロボロ状態で走っていました(笑)。周りからすれば、ビックリしますよね。

二宮: 体を動かさずにはいられないと?
魔裟斗: トレーナーには「明日は走るなよ。しっかりと休め」と言われていましたけど、言うことを聞きませんでしたね(笑)。雨が降っても走りに行っていましたから。ただ、本来は休養すべきだったんでしょうね。

二宮: 今では、休養もトレーニングのうちと考えられていますからね。
魔裟斗: 現役時代は、そういう知識がなかったんです。よく引退した選手が「今の知識があったら、もっと良くなっていたのに」って言うじゃないですか。実際に引退して、「その通りだな」と思いますよ。

 知人のマネで定番となったソーダ割り

二宮: さて、焼酎好きの魔裟斗さんには、そば焼酎「雲海」はいかがでしたでしょうか。
魔裟斗: 今回、初めてそば焼酎を飲んだのですが、そば焼酎がこんなに美味しいとは新たな発見でした。しかも、僕が大好きなソーダ割りが本当に美味しかった。

二宮: 暑い夏にはスカッとして、いいですよね。
魔裟斗: はい。特にそば焼酎は、のどごしがすっきりしているので、とても飲みやすいです。健康志向の僕には合っている感じがします。

二宮: ソーダ割りは、焼酎好きの方でも「初めてです」という方が多いのですが、魔裟斗さんがソーダ割りを好きになったきっかけは?
魔裟斗: 知人にソーダ割りが大好きな人がいて、一緒に飲むと、決まって焼酎のソーダ割りばかりを飲んでいる人がいたんです。それで、「マネしてみようかな」と思って飲んでみたら、「うわぁ、いいじゃん、これ」ってなったんです。ソーダ割りが僕の定番になってから、もう4、5年は経ちますね。

二宮: まさに、この企画にピッタリでしたね(笑)。
魔裟斗: はい、ありがとうございます。そば焼酎では初めてだったので、ソーダ割りのバリエーションが増えました。今年の夏は、そば焼酎「雲海」のSoba&Sodaを楽しみたいと思います。

(おわり)

魔裟斗(まさと)
1979年3月10日、千葉県生まれ。本名・小林雅人。3歳から水泳を始め、中学時代は空手道、15歳からはボクシングジムに通った。17歳でキックボクシングを始め、97年にプロデビューし、2000年にISKA世界ウェルター級王座を獲得。02年からK-1に参戦。03年には日本人として初めてK-1世界王者となる。04、07年には準優勝。08年には再び世界王者に返り咲いた。09年12月31日の引退試合でアンディ・サワーと対戦、判定勝ちでフィナーレを飾る。現在は、テレビ、雑誌などで幅広く活躍している。

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 元K-1世界王者・魔裟斗が実演! マシン不要! 家庭でできる3分効果的トレーニング
定価:本体1300円+税
付録:トレーニングDVD(綴じ込み別添)
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★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

日本初の本格そば焼酎「雲海」。時代とともに歩み続ける「雲海」は、厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。
提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
味街道 五十三次
東京都港区高輪4−10−30 品川プリンスホテル メインタワー38階
TEL:03-5421-1114
営業時間:
昼食 11:30〜15:30(L.O.15:00)
軽食 15:00〜17:00(L.O.16:30)  
夕食 17:00〜22:00(L.O.21:30)

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 魔裟斗さんの直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「魔裟斗さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は8月14日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、魔裟斗さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:斎藤寿子)


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