大会が始まって初めてのオフとなった。練習取材もないということで、僕も観光でドーハの砂漠を見にいこう! と思っていたのだが、いろいろと仕事が溜まっていたので、メディアセンターまでタクシーで行って仕事をすることに。ハァーッと思わずため息もこぼれてしまう。
(写真:大々的に日本の勝利を伝える地元紙)
◇1月23日 「初オフはスーパーでお買い物」

 メディアセンターにはアラビア語、英字の新聞が常時、置かれている。一面を飾ったのは「カタール残念!」ではなく、「日本代表の勝利」。デカデカと報じていたのにはびっくりした。岡崎慎司選手が決勝点を挙げた伊野波雅彦選手に抱きついているこの写真、実にいい感じだ。現地の記者おぼしき人にいきなり話しかけられて「日本は強い。優勝するよ」とお墨付きまでもらった。
「SAMURAI BLUE」が「SAMURI BLUES」になっているところがポイントだ。

 さて、仕事が終わってからは食事の買い出しに。ホテルは先輩カメラマンと先輩ライターの3人で共同生活をしていて、基本的には自炊生活の日々。時間のあるときに食材を買いに行くのだが、大きなスーパーになると食材は何でもそろっている。日清のカップヌードルもあれば、TOFU(豆腐)やこんにゃくも。宗教上の理由で豚肉はないものの、牛タンまでおいてあったのには驚いた。料理好きの先輩たちも、食材の豊富さには驚くばかりだった。


◇1月24日 「ピッチ内外で頼りになるキャプテン」

 アルベルト・ザッケローニ監督の会見取材が終わってからレンタカーで市内をドライブ。海が見える一本道はとても快適です。海の向こう側に近代的なビル群が見え、海岸沿いをみんなジョギングしている。ちょっと排気ガスが気になるものの、ランナーを見ているとすごく気持ち良さそうだ。

 午後4時からはアルアハリスタジアムで練習を取材。韓国戦の前日とあって、韓国メディアが殺到した。外国メディア用にキャプテンの長谷部誠選手が対応していた。この長谷部選手、しっかりとキャプテンシーを発揮してチームを束ねている。シリア戦の前に選手ミーティングを開いたり、控え選手にも積極的に声をかけたりと、ピッチ上での働きもさることながら、ピッチ外でも長谷部選手の存在は大きい。「日本人の誇りを持って戦いたいと思います」と闘志をあらわにするキャプテン。ライバルとの一戦に向けて、チーム全体はいいムードになっているようだ。

(このレポートは不定期で更新します)

二宮寿朗(にのみや・としお)
 1972年愛媛県生まれ。日本大学法学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。格闘技、ボクシング、ラグビー、サッカーなどを担当し、サッカーでは日本代表の試合を数多く取材。06年に退社し「スポーツグラフィック・ナンバー」編集部を経て独立。携帯サイト『二宮清純.com』にて「日本代表特捜レポート」を好評連載中。