(写真:白寿生科学研究所・原浩之副社長。セカンドキャリア支援、スポンサーとしてNPBや独立リーグを支える。熱心なプロ野球ウォッチャーでもある)

 皆さん、こんにちは。白寿生科学研究所・副社長の原浩之です。「白球徒然 ~HAKUJUベースボールスペース~」の連載が3年目を迎えリニューアルすることになりました。新装開店ということで二宮清純編集長から「まず最初は原さんが登場してくださいよ」とご指名を受けました。ただのプロ野球マニアの私ですが、しばしお付き合いください。


 白寿生科学研究所はプロ野球選手のセカンドキャリア支援に積極的に取り組んでいます。白寿で元プロ野球選手を雇用しようと考えたのは、彼らの社会人としての素材の良さを見込んだからです。

 

 野球部やプロ野球という厳しい世界で目標に向けて努力した実績があり、その中でケガやスランプなどで挫折を経験したこともある。野球というチームプレーをしてきたから組織の中で考えて動くこともできる。そういう面で「体と心の健康を応援する」という白寿の企業理念にぴったりです。実際、元プロ野球選手の4人の社員は各地の白寿ショップで店長を任せられる人材に成長しました。

 

 また白寿では元プロ野球選手を自社で雇用するだけでなく、現在は他企業に元プロ野球選手の人材を紹介、マッチングするビジネスもスタートしました。セカンドキャリアは野球だけでなく他のスポーツ選手にとっても切実な問題です。これからも元選手の受け入れ、そして他企業への紹介・マッチング両面からセカンドキャリアを支援していきたいと考えています。

 

 白寿がプロ野球に関わるようになって10数年が経ちました。サポート内容はヘルストロン(電位治療器)の提供・販売、健康食品の提供・販売、球場への広告看板掲示など多岐に渡ります。「なぜプロ野球に?」とよく聞かれますが、もともと私が大のプロ野球好きだったのが理由でしょうね。

 

 同姓の原辰徳さんがドラフト1位で巨人に入った年(1980年秋)から、プロ野球を熱心に見るようになりました。試合はもちろん、毎年オフに発売されるベースボール・データブック(ベースボールマガジン社)を読み込むのが何より楽しかったものです。今でもその習慣は続いていて、結構な数の選手の入団年や通算成績といった主要データが頭に入っています。プロ野球や独立リーグの現場に行くと、これが役立つんですよ。元選手を紹介されると「あっ、何年のドラフト何位。通算何勝ですね」なんてスラスラと出る。これがすごく喜ばれて、それがきっかけで親しくなった方が何人もいます。このコラムでは私がそういう人たちから聞いた、門外漢だからこそ仕入れた裏話も紹介できればと思っています。

 

 同じ「原さん好き」として

 昨季、私が一番感動したのは北海道日本ハムの大田泰示選手の覚醒です。巨人からトレードで移籍して、古巣との交流戦でホームランを2本打ちました。あのときのフルスイングとホームインしてからの雄叫びには思わずウルッと来ましたよ。

 

 彼が日本ハムに移って別人のように活躍した理由を日本ハムの関係者の方に聞いたことがあります。「"巨人よりのびのびやれているからだろうね"と言われるけど、冗談じゃないですよ」と。その方曰く「それだとウチがまるで放任主義、放ったらかしみたいじゃないですか」と笑いながら、こう続けました。


「大田にはきちんとデータを見せて"打てるゾーンはここ、凡打しているゾーンはここ"と徹底したんですよ。そのデータが頭に入っていれば、なんでもかんでも打ちにいくことはないし、結果、思い切りバットが振れるようになった。あと栗山英樹監督も細かな気遣いをしていました。ホームランの後、次の打席でゲッツーを打つと普通の監督なら"なにやってんだ!"と叱り飛ばしますが、うちの監督は"ホームラン打てるヤツがそんなこと気にするな。ゲッツーは誰でもできるけど、ホームランはお前にしか打てないんだぞ"と励ましていましたよ」

 

 どうです、いい話じゃないですか? 大田選手は原辰徳さんに憧れて広島から東海大相模に進学した経歴の持ち主。原フリークとしては応援せずにはいられませんね。

 

 では私のコラムは今回はこの辺で。リニューアル後は私、そしてこれまで月初のコラムを書いていた田口竜二(元プロ野球選手・白寿生科学研究所人材開拓課長)に代わって別の元プロ野球選手の白寿社員が登場します。

 

 現在、白寿で働く元プロ野球選手は育成出身も含めて7人います。誰が登場するかお楽しみに。「プロ入りのときに注目していたあの選手か!」なんてファンの方が驚くような元選手が、自らのセカンドキャリアのことや、セカンドキャリアを取り巻く現状、そしてプロ野球時代のこぼれ話などを披露します。これからも「白球徒然 ~HAKUJUベースボールスペース~」のご愛読をよろしくお願いいたします。


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