重松星誉(東京ヴェルディフットサルチーム/四国中央市出身)最終回「進化を続ける42歳」
東京ヴェルディフットサルチーム(東京都フットサルリーグ2部)でプレーする重松星誉(としたか)は、2001年3月に愛媛県立三島高校を卒業した。同年4月、関東での一人暮らしをスタートさせ、神奈川県内にキャンパスのある麻布大学に通った。

「©TOKYO VERDY CLUB」
入学と同時にサッカー部の門をたたいた。約1カ月後、選手不足のフットサル部の助っ人を務めたことがきっかけで、フットサルを始めた。
サッカー部との“二足の草鞋”は認められていたのか?
「問題なかったです。今の時代だったら、大学フットサルリーグなど、氏名の登録手続きがあると思います。しかし、私の大学入学時(2001年)は、公式的なフットサルの大会はなかった。世の中的には“フットサルって何?”というような時代でしたから……」
一時的な助っ人のつもりで加わったフットサル部。やっているうちに面白味がわかってきた。
「最初は、サッカーのGK(ゴールキーパー)の延長の感覚でやっていたので正直、“どうやってこんな至近距離のシュートを止めるんだ?”と、疑問に思いながらフットサル部の活動に参加していました。ところが、私には研究者気質なところがあり、フットサルのゴレイロとして、きちんとプレーを“究めたい”という欲が芽生えてきたんです。この頃は、まだ日本のFリーグはないので、海外リーグのプレーを研究対象にしました」
サッカーのGKとの違い
サッカーのGKとフットサルのゴレイロは似て非なるポジションだ。サッカーのコートは縦105m×横68m(国際サッカー連盟推奨)、ゴールの大きさは横7.32m×高さ2.44m、ピッチに立つ人数は11対11だ。一方、フットサルのコートは、縦40m×横20m(公式戦推奨)、ゴールは横3m×高さ2m、コートに立つのは5対5だ。
重松はGKとゴレイロの違いを、左足の足元付近のシュート対応を例に説明した。
「サッカーのGKなら、上体を寝かせて左手一本もしくは両手でセービングします。一方、フットサルのゴレイロの場合は、左足と左手で防ぎます。フットサルは、コートが狭いので、シューター(シュートを打ってくる相手アタッカー)は至近距離から打ってくる。こちらが立った状態から手だけで反応すると時間がかかり、失点に繋がる。そこがサッカーのGKとの大きな違いです」
- サッカーのGKのセービング
- フットサルのゴレイロのセービング
まずは習うより慣れろ、である。
「練習は相当やりました。100本くらいシュートを打ってもらって敢えて全部、足だけで止める練習もやりました」
サッカーのGKはグローブを着用するが、ゴレイロは素手、もしくはテーピングが主だ。
フットサルの場合、至近距離でシュートが飛んでくる。クッション性のあるグローブを装着してシュートを弾くと自分の真下にボールがこぼれ、すぐに相手に詰められる。素手の方が遠くに弾き飛ばせるのだ。
攻撃に目を移すと、素手の方がボールを投げやすい。フットサルの攻撃は、サインプレーに依るところが大きい。その大半はゴレイロのスローから始まる。しっかりとボールを掴み、ボールを投げ分けるのは、ゴレイロの重要な仕事の1つだ。
ゴレイロの攻撃的役割
重松は語る。
「フィールドプレーヤーのスペースを空ける動きなどがサインプレーの合図になる。そこにボールを投げ入れるのがゴレイロの役割。肩の強さ、コントロール、ロビング、ライナー、回転の方向……。私は、このスローが評価されて長くレギュラーを張れている。特にこだわっているプレーの1つです」
さて学業の方は、どうだったのか。獣医を志したものの、残念ながら国家資格に受からず、2007年4月、農林水産省が管轄する機関の動物医薬品検査所に就職した。この間、フットサル活動は休止した。だが、7年後に転職したのを機に、重松はコートに復帰した。
重松は、小金井ジュール、情熱ロンリネス、バンフ東京とチームを渡り歩き2022年から東京ヴェルディフットサルチーム(以下、ヴェルディ)のゴールを守っている。これまでプレーした3チームと異なり、ヴェルディは地元住民などを対象としたフットサル教室を開催している。
そこで彼は何を伝えているのか。
「私は、サッカーからフットサルに転向して悩んだことがたくさんあり、自分で調べたり、個人レッスンを受けたりしました。かつての私と同じように、GKとゴレイロの狭間で、モヤモヤしている選手を一人でも少なくしたい。そう思って教室での指導に当たっています。また、同じヴェルディには年下のゴレイロがいます。彼らにも自分の経験を伝え続けたい」
重松は42歳の今もヴェルディの正ゴレイロだ。後輩へのアドバイスは惜しまないものの、易々とポジションを明け渡す気はない。
「自分のプレーのクオリティーがともなっていないと、指導やアドバイスにも説得力は生まれない。だから、現役ゴレイロとして自分のプレーを磨き続けたいんです」
まだまだ進化の過程にある。
(おわり)

<重松星誉(しげまつ・としたか)プロフィール>
1982年6月26日、愛媛県四国中央市生まれ。小学校1年生でサッカーを始めた。大学1年時、「助っ人で加わったことがきっかけ」となりフットサル活動をスタートさせた。東京都のフットサルチーム(小金井ジュールー情熱ロンリネスーバンフ東京)を中心に渡り歩き、2022年から東京ヴェルディクラブ・フットサルチームでプレーしている。身長172センチ、体重72キロ。ポジションはゴレイロ。スポーツアパレルブランド「one8ty」契約選手。
(文・写真/大木雄貴、写真提供/TOKYO VERDY CLUB)
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