繋がり、広がるラグビーの輪

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 2026年がスタートしたばかりだが、1月7日に全国高校ラグビー大会決勝、11日には全国大学ラグビー選手権大会決勝が行なわれた。ジャパンラグビー・リーグワンもシーズン中。25日には栃木県グリーンスタジアムのメイングラウンドにて「SMBC つなげるラグビープロジェクト」小学生ラグビー体験会が実施される。このプロジェクトは、 SMBC グループによる27 年ラグビーW杯オーストラリア大会を見据えたラグビーの普及と育成を目指すものだ。今回が第8回目となる。

 

 未就学児〜大学生・男女日本代表に協賛しているSMBCグループが、日本各地で実施するラグビー体験会の7回目が行なわれたのは、日本代表vs.オーストラリア代表のテストマッチがあった昨年10 月25 日。場所は東京都渋谷区の実践女子学園中学・高校だった。この日は、元ラグビー日本代表主将の菊谷崇氏、女子7人制&15人制日本代表経験者の中村千春が講師を務めた。特別ゲストとして、元日本代表でNECグリーンロケッツ東葛アカデミーコーチの田中史朗氏、ラグビー番組に出演中のタレント・浅野杏奈氏が参加した。

 

 生憎の雨のため、肌寒い一日となった。会場も当初予定していた校庭から体育館に変更となった。それでも50組100名以上が参加。体験会は自己紹介からスタート。講師、参加者が呼び名を書いたテープを貼った。チーム分けや準備運動後、パス練習となった。日本代表75キャップを誇り、日本人選手初のスーパーラグビープレーヤーとなった田中氏。日本を代表する名SHが、正しいパスの投げ方を参加者に披露。鋭い回転がかかった長距離パスに、子どもたちも沸いた。田中氏をはじめ講師陣は「パスは思いやり」と伝授。その後の実践編では、動きながらパスする練習、そしてゲーム形式の練習を行なった。途中チームごとの作戦会議(チームトーク)の時間を設け、参加者たちのコミュニケーションを促していた。

 

「厳しくと言うよりは楽しんでもらうことを意識しています」と田中氏。それはグリーンロケッツのアカデミーも体験会も変わらないという。「技術よりはみんなが笑顔になる指導をさせてもらっています」。子どもたちに伝えた「パスは思いやり」というメッセージについては、「チームスポーツなので1人でやっているわけではない。人のため、思いやりを持ちながらプレーするのが大事だと思っています」と説明した。

 

 講師陣によるトークショーもあり、最後は参加者全員での記念撮影で盛況のイベントは終了した。このプロジェクトのメイン講師となっている菊谷氏は「数を重ねていくことがすごく大切。今日は生憎の天候だったので人が少ないかと思いましたが、たくさんの人にきていただけてうれしかった」と振り返った。体験会の基本メニューを考案する菊谷氏はその狙いを明かす。
「このイベントはラグビーの普及・育成という目的がありますが、体験会の中にチームトークという機会を設けているのは、PCDAのサイクルを経験してもらうためです。ラグビーボールを使いながら、問題解決能力を身に付けるのが裏テーマにあるんです」

 

 講師陣はファシリテーターとして、チームトークをサポートする。「指示や提案はしない。問いを立てて、発言を促す。ゲームもうまくいくし、チームトークの環境も良くなる。共同問題解決に繋がっていく。このプロセスが重要だと思っています。主体的に活動するのは僕らじゃなくてプレーヤー」と菊谷氏。この日の参加者は小学1~3年生とその保護者が対象。子どもたちのキャラクターもそれぞれで、自己表現が苦手な子もいれば、話を聞かない子もいるだろう。「そこはプレーヤー同士で解決する。チームづくりは委ねている。だから違いはあっていいんです」と。

 

 2024年10月の東京を皮切りに仙台、大阪、熊谷、福岡、神戸と回り、再び東京に戻ってきた。次回は初の栃木開催。高校ラグビーの強豪・國學院栃木の協力を得るという。「いろいろな人とつくり上げるのも、このイベントの魅力」と菊谷氏。体験会参加者の中には、過去の体験会に来ていた子どももおり、再会の場ともなっている。繋がり、広がるラグビーの輪。地道に蒔いてきた種が、大きな花を咲かせる蕾となるか。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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