第345回 「勇武」 ~百年構想リーグに挑んだ愛媛FC~

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 今年2月に開幕し、約5カ月間に渡り熱戦が繰り広げられた「J2・J3百年構想リーグ」。

 

 愛媛FCはシーズン序盤、PK戦での1勝を第3節にマークしたものの、第6節終了時点まで90分間での勝利は無く、3連敗を喫するなど、グループリーグ最下位に沈む苦しい展開。降格の屈辱を味わった2025シーズンを思い起こさせるような序盤の展開に、私たちサポーターの不安は募るばかり。

 

 それでも第7節、高知ユナイテッドSCとの対戦では、スコア「1-0」で愛媛FCが90分間での勝利を掴み取った。2026年シーズンでのホームゲーム初勝利であり、復調の兆しを見せ始めた試合であったと言える。

 

 圧巻だったのは、前半34分に魅せた決勝ゴールへの流れ。センターサークル付近に陣取るMF宮本航汰選手からのパスを受けたMF前田椋介選手がMF竹本雄飛選手へと繋ぎ、竹本選手がMF日野翔太選手へとラストパスを供給。最後は日野選手がゴールを決めるのだが、ワンタッチやツータッチで細かくパスを繋ぐ見事なショートカウンターだった。その流れるような得点シーンは、チームとして目指している(攻撃面における)方向性が垣間見られた瞬間でもあった。

 

 また、GK辻周吾選手を中心にDF陣も体を張った守備で相手の攻撃を随所でブロックするなど、守備面においてもチームの成長を感じることができ、雨が降る難しいコンディションの中、相手を完封した点も価値ある試合だったと思える。

 

 約9カ月ぶりのホームゲームでの勝利ということもあり、試合後は、ずぶ濡れになりながらもサポーター同士、ハイタッチや握手で喜びを分かち合い、至福のひと時となった。

 

 その後のグループリーグ中盤戦(第9節~第12節)では4連勝をマークするなど、好調を維持する愛媛FC。

 

 終盤戦に入ると、中2日での連戦や中3日でのアウェイ連戦など、コンディション調整が難しい日程が続いたが、チームとして大崩れせず持ち堪え、3勝3敗でリーグ戦を終えた。

 

 グループリーグ(全18試合)での愛媛FCは「8勝7敗/PK戦1勝2敗(勝ち点28)」でWEST-Aグループ(10チーム中)5位という戦績。

 

 続くプレーオフラウンド(総合順位決定戦)では、疲労の蓄積もあり、あとひと押しというところで得点を奪うことができず、2戦して2敗。「J2・J3百年構想リーグ」での最終順位は(40チーム中)20位という結果に終わった。

 

 シーズンのスタートで躓き一時再下位にまで沈んだ愛媛FC。それでも中盤戦から巻き返し、グループリーグ5位に喰い込んだことは評価したい。

 

 今年、Jリーグの開催時期が秋春制へと移行することに伴い実施された「百年構想リーグ」。

 

 プレシーズンとも捉えることができるこのリーグ戦において、大木武監督体制のもと、チーム再建に取り組んできた。段階を経て、少しずつ「愛媛FCらしさ」を取り戻しつつあるように思える。監督が求めるハードワークに応えるため、各局面での選手たちのプレーからは粘り強さや泥臭さ、ボール際では激しさを感じるし、攻撃時のパスワークや連係力も高まってきているように見える。

 

 更には、ボールを保持した後のサイドチェンジやロングフィードで得点チャンスを創り出すなど大きな展開力も魅力だ。

 

 サマーブレイクが明け、新入団選手を迎える中、7月下旬には、久しぶりとなる県外キャンプ(宮崎キャンプ)が実施された。他のJクラブとトレーニングマッチを行うなど、短期間ではあったが、チーム強化に向けた充実したキャンプだったようである。キャンプ先から愛媛(松山市)に戻ってきた日野選手とお話しする機会があった。「宮崎は暑かったけれど、仲間と連係を高める上で有意義なキャンプでした」と語っていた。

 

 日本国内でも盛り上がりを見せたFIFAワールドカップ2026北中米大会。世界規模のサッカーの祭典は閉幕した、日本では間もなくJリーグの新シーズンがスタートする。

 

“ここからは、私たちの時間だ”

 

 サッカーと間近で触れ合う日常生活が、いよいよ戻ってくる。Jリーグを楽しみ、応援し、大いに盛り上げ、我々が未来の日本サッカーを強くしていくのである。

 

 愛媛FCが参戦する明治安田J3リーグ2026-2027は8月9日(日)に開幕。

愛媛FCは、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて奈良クラブと対戦。午後7時キックオフ!

 

 大木監督が求めてきたものを選手達が何処まで体現し、どんな試合を魅せてくれるのか今から楽しみである。

 

「新たな熱狂が待っているニンジニアスタジアムへ是非、お越しください」

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