投打盤石の鷹vs.集大成の竜 〜日本シリーズ展望〜
2011年のプロ野球のラストを締めくくる日本シリーズが12日、福岡ヤフードームで開幕する。相見えるのは、“7度目の正直”でパ・リーグのプレーオフ、クライマックスシリーズ(CS)を突破した福岡ソフトバンクと、セ・リーグで球団初の連覇を達成し、CSを含めた完全制覇を目指す中日。両者の対決は1999年以来で、その際はソフトバンクが4勝1敗で勝っている。今回、最後に笑うのはどちらか。シリーズの行方を展望する。(写真:史上2人目の両リーグ首位打者・内川の打撃にも注目)
投打ともにバランスがとれているのはソフトバンクだろう。
先発陣は和田毅、杉内俊哉の2枚看板に今季は中継ぎから攝津正が加わった。さらに最多勝(19勝)右腕のD.J.ホールトンも控える。中継ぎはCSで左足首を痛めたブライアン・ファルケンボーグの状態が気がかりだが、右の金澤健人、左の森福允彦と終盤を任せられるピッチャーがいる。最後は馬原孝浩が締める勝ちパターンは変わらない。
打線は今季、さらに厚みを増した。移籍した内川聖一、アレックス・カブレラが中軸に座り、シーズン終盤は4番も任された松田宣浩はリーグ2位の25本塁打と覚醒した。小久保裕紀、多村仁志らが下位に控えるラインアップは息が抜けない。さらにCSで劇的な満塁弾を放った松中信彦も代打として出番を待っている。
そして12球団トップの180盗塁をマークした機動力も見逃せない。川崎宗則(31盗塁)、本多雄一(60盗塁)の1、2番コンビはどちらかが出塁すれば相手を揺さぶれる。福田秀平、城所龍磨と足のある若手も多く、バントやエンドランも絡めた多彩な攻撃が可能だ。
対する中日は投手力では全く引けをとらない。エースの吉見一起は最多勝(18勝)に輝き、防御率も1点台(1.65)と安定感抜群。チェン・ウェイン、マキシモ・ネルソンはレギュラーシーズンの成績では負けが込んでいるが、終盤に調子を上げ、逆転Vに貢献した。リードを奪えば左キラーの小林正人、鈴木義広らリリーフ陣は強力でいつでもマウンドに送り込める。そして今季は浅尾拓也と岩瀬仁紀による事実上のダブルストッパー体制を構築。状況に応じて使い分けながら接戦をモノにしてきた。
ネックは12球団ワーストのチーム打率(.228)に終わった打線だ。ただ、主砲のトニ・ブランコが10月に打率.340、6本塁打で月間MVPを受賞するなど、当たりが戻ってきた。今季は揃って不振だった森野将彦、和田一浩がどこまで爆発できるかで得点能力が大きく変わってくる。走攻守にスキのないソフトバンクだが、唯一の弱点は盗塁阻止にある。今季の阻止率はわずか.157とリーグワーストだった。アライバ(荒木雅博、井端弘和)を中心に足でかきまわす攻撃で活路を見出したい。(写真:退任が決定した中日・落合監督がどんな采配を振るうのか)
両チームともホームでは高い勝率を誇る。ソフトバンクは49勝20敗3分、中日は44勝22敗6分だ。ヤフードームで第1戦を迎えるソフトバンクは、この点でも優位だ。交流戦の直接対決で中日は08年以降、ヤフードームで勝てていない。落合博満監督の花道を日本一で飾るには、まず第1、2戦で最低でもタイで乗り切りところだ。