16日、サッカーロシアW杯のグループB第1節のモロッコ代表対イラン代表の一戦がサンクトペテルブルクで行われ、イランがモロッコを1対0で下した。試合は後半アディショナルタイム、イランが敵陣左サイドのFKからオウンゴールを誘発し、勝利した。
アジア勢、W杯で8年ぶりの勝利(サンクトペテルブルク)
モロッコ 0-1 イラン
【得点】
[イ] オウンゴール(90+5分)
スペイン、ポルトガル、モロッコ、イランのグループB。2強2弱の2弱対決。イランもモロッコも是が非でも勝ち点3が欲しかったこの1戦。軍配はイランにあがった。
序盤はモロッコのペースだった。2分にはMFアミンヌ・アミットの右足ミドル、8分にはFWアユブ・エル・カービの左足ミドルでイランゴールを脅かした。19分にはモロッコ攻撃陣は3本立て続けにシュートを放ったが、イランDF陣は体を張ってゴールを守った。
しかし、徐々にイランがモロッコのプレスをかいくぐりチャンスをつくった。20分、FWサルダル・アズモンがハーフウェイラインでボールをカットし一気にボール前へ。左サイドにいたMFカリム・アンサリファルドにボールをつなぐ。ボールを受けたアンサリファルドはトラップし、ペナルティーエリア内に侵入するも左足のキックはジャストミートしなかった。
43分にもイランはカウンターからチャンスをつくった。MFオミド・エブラヒミがボールを奪い、アズモンにパスを供給。アズモンはMFヴァヒド・アミリとワンツーで相手DFラインの裏へ抜け出し右足でシュートを放つ。惜しくもモロッコのGKムニル・モハンド・モハメディにセーブされた。
イランが主導権を握ったまま試合を折り返す。後半もイランペースかと思われたが、両チームとも中盤でボールを失う場面が目立ち、決定機をつくれなかった。
引き分け濃厚だった後半アディショナルタイム。イランが相手陣地左サイドのコーナー付近でFKを得た。キッカーはレフティーのDFエハサン・ハジフィ。鋭い弧を描いたボールをニアサイドに供給した。このクロスをモロッコのFWアジズ・ブハドゥズがダイビングヘッドでクリアーを試みる。だが、このクリアーボールは無情にも自陣ゴールネットを揺らしてしまった。
このままのスコアで試合は終了し、イランが1対0で勝利した。アジア勢がW杯で勝利をあげたのは8年ぶり。イランがグループBの大穴として貴重な勝ち点3を獲得した。
(文/大木雄貴)