(写真:フル出場し、キックは9本中すべてを成功させた松田)

 27日、ウルフパック強化試合が東京・秩父宮ラクビー場で行われた。2季前までスーパーラグビー(SR)に所属していたウェスタン・フォース(オーストラリア)と対戦。51-38で強化試合3連勝するも、守備で課題を残す試合となった。

 

 先週はハリケーンズの下部チーム、ハリケーンズBに大勝したウルフパック。この日はウェスタン・フォースと対戦した。

 

 HO堀江翔太、SO田村優はヒト・コミュニケーションズ サンウルブズに合流。スタメンにはHO坂手淳史、SO松田力也の帝京大出身の2人が起用された。ジャパンの司令塔候補にあがる松田はSH流大とハーフ団を構成。まず8分にPGを決め、正確なキックでアピールする。

 

(写真:レメキは先週に続き2トライ。好調を持続)

 11分、左サイドでWTB福岡堅樹からオフロードパスを受けた坂手が左隅にトライを挙げる。15分には右サイドへ展開。No.8アマナキ・レレイ・マフィからのオフロードパスをWTBレメキ・ロマノ・ラヴァがキャッチした。鋭いステップで対峙するディフェンスをかわし、右隅に飛び込んだ。松田はいずれも角度のないコンバージョンキックを決めた。

 

 松田のPGで20点差と突き放したウルフパックだったが、21分と25分にトライを許すなど20-10と迫られた。28分に松田のPG、36分のマフィのトライ。松田のコンバージョンが決まり、30-10とリードして前半を終えた。

 

 後半開始後もウルフパックのペースで進んだ。4分にレメキがトライ。7分には松田のキックパスに反応した福岡がインゴール左隅に飛び込んだ。この日最大の34点差をつけた。

 

(写真:流<左>らを中心に前半はゲームをコントロールした)

 強化試合のためリザーブは10人。ジェイミー・ジョセフHCは9分、17分に3枚ずつ替えた。25分には4枚替え。しかし、その間にウェスタン・フォースに3トライを喫する。相手にスキを与え、自由に攻めさせてしまった。33分には1トライ1ゴールを返したものの、終了間際にも攻め込まれ、1トライ1ゴールを決められた。

 

 ジョセフHCは「3分の2は非常に満足している。ウェスタン・フォースは当初思っていた作戦ではなかった。だが選手たちは賢いプレーで臨機応変に対応してくれた。後半メンバーを入れ替えて崩れはじめた。自分たちが平凡なプレーをしてしまった。反省を生かして修正していきたい」と振り返った。

 

(写真:「スイッチが切れてしまい、スキを狙われた」と振り返るジョセフHC<中央>)

 指揮官が「10点満点中5点」と評価した試合の中で「7点」を付けられたのが松田だ。ジャパンでもSOは田村がメインで任されているが、この日は松田が10番を背負った。「久しぶりに10番をつけて手応えもあった」。任されたプレースキックは9本すべて決めた。「だ後半悪い流れになった時にどうコントロールするかが課題」と反省点も挙げた。

 

 5カ月後の本番へ。多くのメンバーを試し、強化を図りたい。流は「どんなメンバーがきた時でもチームとして同じ絵を見て、ゲームプランを遂行しないといけない。そこを僕がコミュニケーションをとってやっていきたい」と語った。サンウルブズはオーストラリア遠征。ウルフパックも12日、17日にスーパーラグビーの下部チーム(ブランビーズB、レベルズB)と対戦する。

 

(文・写真/杉浦泰介)