22日、車いすバスケットボール男子日本代表の国際試合「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP2019」開催記者発表が都内で行われた。2017年よりスタートした「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP」(MWCC)は3年目を迎えた。会見に出席した日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)の玉川敏彦会長は「3年の集大成。最終年は蓄積した経験を踏まえ、2021年大会運営に生かす」と語った。

 

 MWCCは「日本代表の強化」のために誕生した大会だ。目標に掲げる東京パラリンピックでメダルを獲得するためである。今年は2018年の世界選手権で銅メダルを獲得したオーストラリア代表、同4位でアジアパラ競技大会優勝のイラン代表、アジアパラ銅メダルの韓国代表と日本が対戦する。

 

 1年目から有料席を設けるなど、大会運営としても挑戦をしてきた。昨年の3日間合計来場者数は約1万2900人を記録した。昨年からは国内大会でチームに健常者選手の登録を認めるなど競技人口増にも挑んでいる。

 

 玉川会長は観客動員の手応えをこう口にする。
「去年の大会、今年の天皇杯と観客数はどんどん伸びてきています。天皇杯は約1万8000人を集めました。多摩地区3市の協力がポイントですね」

 

 昨年のMWCCはオーストラリア、カナダ、ドイツと戦い、全勝優勝を果たした。この勢いに乗って世界選手権、アジアパラに臨みたかった。だが日本代表は世界選手権9位、アジアパラ2位だった。今大会に出場するオーストラリアは世界選手権で3位。イランは同4位に加え、アジアパラ決勝で日本を破り、金メダルを獲得している。

 

 今回のMWCCがその雪辱の機会だ。及川晋平ヘッドコーチ(HC)は「必ず2020年に繋げたい。昨年はたくさんの方々に背中を押してもらった。今年も皆さんと一致団結して優勝を獲る。エキサイティングで迫力のあるバスケットをやり遂げたい」と意気込む。

 会場は今年も武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる。東京パラリンピック会場である。及川HCは「絶好のリハーサル」と位置付ける。
「来年と同じような時期、状況で行える。多くの皆さんを巻き込んで結果を出すチャンス。ひとつのステップではない。ここに勝負をかける」

 

 東京パラリンピックの試金石となる大会だ。8月29日から4日間。初戦の韓国戦を皮切りに、オーストラリア、イランと対戦し、最終日は順位決定戦となる。女子日本代表は女子オーストラリア代表と3試合行う。

 

(文・写真/杉浦泰介)