サッカー日本代表は24日、カタールワールドカップアジア最終予選・第9節でオーストラリア代表と対戦し、2対0で勝利した。これにより日本はグループBの2位以上を確定させ、最終節・ベトナム代表戦(埼玉スタジアム/29日)を残し、カタールW杯出場を決めた。途中出場を果たしたMF三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)が終盤に2得点を決めた。

 

 森保監督、采配的中!(シドニー)

日本代表 2-0オーストラリア代表

【得点】

[日] 三笘薫(89分、90+4分)

 

 グループB・2位につける日本(勝ち点18)は敵地でオーストラリア(同15)と対戦。勝利ならばW杯出場が決定。黒星ならば3位転落と難しい試合だった。

 

 センターフォワードにはFW浅野拓磨(ボーフム)が入った。快速FWの長所を生かすために、日本は浮き球のパスで相手守備陣の裏を狙う展開が多かった。

 

 このこぼれ球をオーストラリアに拾われ、前半はカウンターをくらう場面が散見された。日本は後半に入ると、攻め急ぐようなパスを減らし、落ち着いて試合を進めた。中盤の底を務めるMF遠藤航(シュツットガルト)が無理に前にポジション取らず、後方でスペースを埋め続けた。

 

 後半18分、森保一監督が動いた。浅野に代えてFW上田綺世(鹿島アントラーズ)、DF長友佑都(FC東京)に代えてDF中山雄太(ズヴォレ)を投入。さらに、37分には南野に代えて三笘を左サイドに入れた。ここからガラリと流れが変わった。

 

 44分、組織で相手守備網を崩した。右サイドバックの山根未視(川崎フロンターレ)が敵陣深い位置でボールを持つ。バックパスと思わせて、ペナルティーエリア内ニアサイドに走り込んだMF守田英正(サンタクララ)に右足アウトでパスを当てる。パスを出した山根はそのままペナルティーエリアに走り込み、リターンパスを受ける。ゴールラインぎりぎりのところで折り返すと、左サイドから走り込んだ三笘が右足インサイドで合わせ、待望の先制点を決めた。山根、守田、三笘と現・元川崎の選手たちによる華麗なパスワークだった。

 

 勝利を決定づけたのはジョーカーの三笘だった。三笘が後半アディショナルタイムに左サイドでボールを持つと、緩急をつけたステップワークでひとりかわし、カットイン。ペナルティーエリアに入り、2人を繊細な右足のタッチでかわし右足一閃。シュートはGKの腕を弾きゴールラインを割った。

 

 直後に試合終了の笛が鳴り、日本が7大会連続7度目のW杯出場を決めた。

 

 殊勲の活躍を披露した三笘は、得点シーンを振り返った。

「(守田と山根がワンツーパスを決めた時点で)ゴール前に行くしかないと思った。マイナスに折り返しが来るとわかった」。3人をかわして決めた2点目については「サイドで時間を作ろうか迷ったが、1人崩せば侵入できるスペースがあったので仕掛けた」と語った。

 

 スタートから3戦で2敗と崖っぷちだった日本代表。薄氷を踏むような戦いが続いたものの見事、カタール行きを決めた。29日には埼玉スタジアムで最終予選・ベトナム戦が待っている。この一戦をどう使うかのか、指揮官の采配に注目だ。

 

(文/大木雄貴)