セガサミーは都市対抗野球東京二次予選を戦っています。惜しくも第一代表の座は鷺宮製作所に敗れて逃しましたが、6月3日にはNTT東日本との第二代表決定戦に臨みます。引き続き応援のほどよろしくお願いします。今回は締め切りの都合上、準決勝までの戦いをお話したいと思います。

 1球で仕留めた代打・平田

 まず4月末から5月上旬にかけて行われたJABA京都大会は準決勝の三菱重工East戦で延長10回タイブレークの末、敗れてベスト4でした。予選リーグのNTT西日本戦ではエース草海光貴が1失点完投。粘りのピッチングでようやく公式戦今季初白星を挙げました。

 

 6試合のオープン戦を挟み、都市対抗東京二次予選初戦はクラブチームのTOKYO METSが相手でした。初戦の硬さもあって2対1と辛勝。続く2回戦のJR東日本戦は5対4とシーソーゲームをモノにしました。

 

 3回表に先制を許したものの、4回裏に4番の根岸晃太郎の3ランで逆転しました。5回表に追いつかれたものの、7回裏に勝ち越しに成功します。逃げ切りを図りたいところでしたが8回表に再度追いつかれてしまいました。

 

 延長も覚悟しましたが、その裏、代打で起用した平田巧のソロホームランで勝ち越しに成功します。最後は石垣永悟が9回表をゼロで抑え、接戦を制しました。

 

 勝ち越し弾の平田ですが、JABA大会、オープン戦と出るチャンスが少なかった中、都市対抗予選という重要な場面で結果を出してくれました。初球にきた甘い球を見逃さなかった素晴らしいバッティングでした。

 

 この日は宮川和人も7回裏に代打で一時勝ち越しとなるタイムリーを放ちました。スターティングメンバーに名を連ねる打者は9人ですが、ベンチ入りするメンバーがそれぞれの役割を果たすことも大事になってきます。出番が少ない中でも、こうやって仕事をしてくれるのはチームにとって非常に助かります。2人とも本当にいい働きでした。

 

 私も現役時代、代打を経験しました。3、4打席回ってくるスタメンと違い、代打は1打席勝負。ファーストストライクから打ちにいく姿勢が大事になってきます。相手の守備陣形を見ながら、点差、イニングなど状況に応じたバッティングが必要です。平田も宮川も相手の失投を見逃さず仕留めた。代打のスペシャリストは貴重な存在。JR東日本戦はチームにとって勢いのつく勝利だったと思います。この先も一戦必勝、凡事徹底で頑張っていきます。

 

 立浪中日の起用法

 プロ野球に目を移すと、5月24日から交流戦がスタートしました。古巣のカープは2勝5敗(同31日時点)と苦しんでいます。ここからの巻き返しに期待しましょう。さて今回は、後輩は後輩でもPL学園の後輩、立浪和義監督が率いる中日について述べたいと思います。

 

 ショートのレギュラーだった京田陽太選手が5月5日に二軍落ちとなりました。報道によると、前日の守備で精彩を欠き、「戦う顔をしていない」(立浪監督)ことが理由だそうです。プロ野球の世界では、覇気がない選手に対し、二軍に落とすというケースは過去にもありました。“そこから這い上がってこい”という叱咤激励のメッセージです。あとはそれを本人がどう受け止めるか。もし、このままダメならトレードになるだけです。厳しい言い方かもしれませんが、プロの世界はそういうものです。

 

 同じくショートの根尾昂選手は、今季から外野手登録となりました。京田選手を登録抹消した後はショートでも起用されています。根尾選手は22歳。立浪監督も適性を見極めている段階かと思います。理想は監督と同じ打てるショート。守備位置よりも、まずは打率2割8分、出塁率3割5分、10本塁打を残して欲しいというところでしょうか。

 

 そんな中、5月21日のカープ戦(マツダスタジアム)で立浪監督が根尾選手を投手起用したことが話題になりました。1対10と9点差をつけられた8回裏に登板。1イニングを無失点に抑えました。その後、交流戦のオリックス戦(5月29日、京セラドーム)でも同じようなシチュエーションでマウンドに上がり、1イニング1安打無失点。点差がついた試合での野手の投手起用は、メジャーリーグでも見受けられるシーンですが、日本のプロ野球ではまだ珍しく、この起用法については賛否両論あるようです。

 

 ちなみに私は大賛成です。決して後輩の肩を持つわけではなく、プロ野球はエンターテインメントですからね。観に来たお客さんを楽しませることも大事なことです。根尾選手は大阪桐蔭高校時代に甲子園でマウンドに上がり、好投しています。その時代を知っているファンからすれば“ピッチャー根尾を見てみたい”との思いもあるはずです。勝ち負けだけではない、楽しみ方があるのもプロ野球の醍醐味と言っていいのではないでしょうか。

 

 少ししゃべり過ぎたようなので、今回はこのへんで。次回こそ、いい報告をこのコラムでお届けしたいと思います。

 

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