川崎・藤井祐眞、初のMVP含む3季連続3冠! ~B.LEAGUE AWARD SHOW2021-22~
3日、男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の年間表彰式「B.LEAGUE AWARD SHOW2021-22」最終日が行われた。レギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)が発表され、川崎ブレイブサンダースのPG/SG藤井祐眞が初受賞。レギュラーシーズンベストファイブには藤井のほか、PG富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)、Cニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)、PG安藤誓哉(島根スサノオマジック)、SF/PFドウェイン・エバンス(琉球ゴールデンキングス)が選ばれた。藤井はベストディフェンダー賞と合わせて個人3冠。3季連続の3冠達成となった。
5季ぶり2度目の王者に輝いた宇都宮ブレックスからの選出は、最優秀ヘッドコーチ(HC)賞の安齋竜三HCのみ。個人タイトルを含め選手の受賞はなかった。最優秀新人賞はシーホース三河のSG西田優大が選出された。最優秀インプレッシブ選手賞(MIP)はクラブ史上初のチャンピオンシップ(CS)出場を果たした秋田ノーザンハピネッツのPG/SG中山拓哉とSG/SF古川孝敏が輝いた。
3冠王・藤井が今季も個人3冠を手にした。19-20シーズンはベストファイブ、ベストシックスマン賞、ベストディフェンター賞、20-21シーズンはベストファイブ、ベストディフェンダー賞、ベストタフショット賞だったが、今季は初のMVP獲得。チームでは初年度のファジーカス以来の受賞だ。
チームのバンディエラである篠山竜青から受け継いだキャプテン。「責任と自覚がより一層増した」とプレーで引っ張った。MVP獲得に本人は「うれしさより驚きの方が強い」と語ったが、今季53試合中50試合にスタメン出場。PGの主力として得点とアシストはキャリアハイをマークした。
1試合平均5.5アシストはリーグ6位、同14.1得点は日本人選手(帰化選手を除く)に限れば2位に入った。チームは42勝13敗で勝率7割6分4厘、東地区2位に入り、チャンピオンシップ(CS)出場した。持ち味の泥臭いプレーで攻守に身を挺してチームを支えた。B1の選手、HC、メディアによる投票で202ポイントを獲得。島根を初のCS出場に導いた安藤とわずか2ポイント差でMVPレースを制した。
ベストファイブとベストディフェンター賞は3季連続の受賞だ。ベストディフェンダー賞について藤井は「リーグで一番嫌われるように頑張っていきたいです」と今後の“防衛”を誓った。6季連続で最優秀審判賞に輝いた加藤誉樹レフェリーは「審判にとっていいディフェンスはファウルと紙一重。来季以降も我々を苦しめていただきたい」と独特のエールを送った。
前日に川崎との契約更新を発表した。入団7年目で迎える来シーズンこそ、悲願のB.LEAGUE制覇を達成したい。背番号「0」のキャプテンは闘志を燃やす。
飛躍の1年
「僕自身、新人賞は目標のひとつ。獲れてホッとしている」
授賞式後の取材でそう語った西田は今年1年で一番ブレイクしたバスケットボールプレーヤーと言っていいだろう。
今季は全53試合でスタメン出場。1試合平均11.6得点を記録した。スリーポイントシュートとディフェンスを得意とする“3&Dプレーヤー”として注目を浴びてきたが、特にオフェンス面での活躍が光った。成長の要因は本人によれば「気持ちの面で変わった」という。「シーズン序盤はこれだけできるとは思っていなかった。コーチ、チームメイトのおかげ」と感謝の意を述べた。
昨秋にトム・ホーバスHCが就任した日本代表でも存在感を発揮。2月26日のW杯アジア地区1次予選window2、チャイニーズ・タイペイ代表戦でゲームハイの27得点を挙げ、ホーバス体制の初白星(76-71)にも貢献した。
「また違うかたちで戻ってきたい」と西田。来季はベストファイブを「次の目標」に表彰式に出席することを誓った。日本代表の先輩にあたる富樫が「これ以上の賞をもらえる選手。今後中心となって日本代表を引っ張ってくれる」と評した逸材。来季はこれまで以上に厳しいマークを受けるはずだ。それを乗り越えることが、真のエースへの道に通ずる。
(文/杉浦泰介、写真/©B.LEAGUE)
主な受賞者は次の通り。
【MVP】
藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース) 初
【レギュラーシーズンベストファイブ】
富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし) 6季連続6度目
藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース) 3季連続3度目
ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース) 2季連続4度目
安藤誓哉(島根スサノオマジック) 初
ドウェイン・エバンス(琉球ゴールデンキングス) 初
【ベストディフェンダー賞】
藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース) 3季連続3回目
【ベスト6thマン賞】
クリストファー・スミス(大阪エヴェッサ) 初
【最優秀新人賞】
西田優大(シーホース三河)
【最優秀HC賞】
安齋竜三(宇都宮ブレックス) 初
【最優秀審判賞】
加藤誉樹 6季連続6度目
【得点王】
ショー・ロング(レバンガ北海道) 25.0点 初
【アシスト王】
富樫勇樹(千葉ジェッツ) 6.4アシスト 2季ぶり2回目
【リバウンド王】
セバスチャン・サイズ(アルバルク東京) 12.4リバウンド 初
【スティール王】
パウロ・アギラール(川崎ブレイブサンダース) 1.6スティール 初
【ブロック王】
アレックス・デイビス(秋田ノーザンハピネッツ) 1.5ブロック 2季連続2度目
【ベスト3P成功率賞】
狩野祐介(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ) 52.9% 2季連続2度目
【ベストフリースロー成功率賞】
橋本竜馬(レバンガ北海道) 92.0% 初
【ベストタフショット賞】
中山拓哉(秋田ノーザンハピネッツ) ※2022年4月10日の川崎ブレイブサンダース戦(とどろきアリーナ)
【MIP】
中山拓哉(秋田ノーザンハピネッツ) 初
古川孝敏(秋田ノーザンハピネッツ) 初