サッカー日本代表は6日、ブラジル代表と親善試合を行い0対1で敗れた。試合は後半32分にFWネイマールにPKを決められた。日本は強豪相手に攻めあぐね決定機を作れなかった。日本は中3日でキリンカップ開幕を迎える。初戦はガーナ代表とノエビアスタジアム神戸で対戦する。

 

 日本、PKに泣く(国立競技場)

日本代表 0-1 ブラジル代表

【得点】

[ブ] ネイマール(75分)

 

 FIFAランキング1位のブラジルを迎えたこの1戦。カタールW杯でドイツ、スペインと対戦する日本にとって願ってもない相手だった。

 

 前半2分、ネイマールにペナルティーエリア内中央でボールを持たれる。素早く複数人で囲い込むがネイマールはヒールパス。これをFWルーカス・パケタに通されシュートを打たれるが左ポストに救われた。11分には日本のゴール前でクリアーボールをMFフレッジに拾われ左足でミドルを放たれるがシュートは枠を逸れた。

 

 12分にはMF伊東純也(ヘンク)が右サイドからドリブルで仕掛ける。細かいタッチから縦への突破を狙うがDFギリェルミアラーナに阻止された。

 

 27分にはネイマールがペナルティーエリア手前左サイドから強烈な右足ミドルを狙うがこれはGK権田修一(清水エスパルス)がファインセーブを見せた。日本は粘り強い守備で試合をスコアレスで折り返した。

 

 後半27分、決定機まであと一歩のところに迫った。途中からピッチに入ったFW前田大然(セルティック)が前線から激しくプレスをかける。ボールを奪い左サイドのFW南野拓実(リバプール)へ展開。ここで仕掛けてシュートまで持っていければ、という展開で南野は周囲を見渡しキープに入り、結果的にボールを失った。日本の攻撃枚数2、ブラジルの守備の枚数が3の局面。仕掛けるべき場面を逃してしまった。

 

 このプレーの直後、南野はMF三笘薫(サンジロワーズ)と交代した。

 

 30分、日本ゴール前の混戦でMF遠藤航(シュツットガルト)がFWリシャルリソンと接触し無情にもファウルを取られた。このPKをネイマールに難なく決められ、先制を許した。

 

 以降、三笘にボールを集めて打開を試みる。37分、三笘は得意の左サイドでボールを持つがDFエデル・ミルトンに体を入れられ、突破を阻まれた。4分後には三笘とMF鎌田大地(フランクフルト)がエリア内でワンツーを見せるが、見事に潰された。43分にも三笘は左サイドでミルトンに真っ向勝負を挑んだが突破ならず。

 

 流れの中から失点はしなかったが、強豪相手にドリブラーの単独突破頼みでは突破口を見出せなかった。

 

 試合後、ベテランのDF長友佑都(FC東京)はチームの課題を口にした。

「もっといい状態で(伊東や三笘に)1対1をさせるべき。周りの選手はフリーランニングでサポートするべき。そうすれば剥がせると思う。アタッキングサードでは個で剥がせないとチャンスは作れない。そこは大きな差を感じた。取られてもいいから勝負しにいく姿勢をださないと厳しい」

 

 アジアレベルでは伊東や三笘が大きく開き、ボールを呼び込み仕掛ければチャンスが作れた。相手のレベルが上がれば、いかにしてドリブラーに良い状態で勝負させるかがカギを握る。誰が囮になり、誰がどのタイミングでスペースを空けるのか。チームとしてオートマティックにこれができないと世界レベルの守備に穴をあけるのは難しいだろう。

 

(文/大木雄貴)