(写真:初キャップの根塚。序盤は緊張していたというが、後半にはトレードマークの笑顔が見えた)

 18日、「リポビタンDチャレンジカップ」が東京・秩父宮ラグビー場で行われ、世界ランキング10位のラグビー日本代表(ジャパン)が同19位のウルグアイ代表に34-15で勝利した。ジャパンは来週(25日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州)、再びウルグアイとテストマッチを行う。

 

 W杯フランス大会へのサバイバルレースは既に始まっている。先週のチャリティーマッチに続き、この日のジャパンはジャパン予備軍にあたるNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)で編成。「選手層を厚くしたい」というジェイミー・ジョセフHCの狙い通り、若手のWTB根塚洸雅、WTB竹山晃暉ら9人が初キャップを刻んだ。

 

(写真:田村はチャリティーマッチに続き2週連続フル出場。その存在感は抜群だ)

 チャリティーマッチのスタメンからは5人が入れ替わった。LO大戸裕矢、FL飯野晃司、FL山本浩輝、SH小川高廣、CTBシェーン・ゲイツ。フロントローと両翼、LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、攻撃をリードしたキャプテンのSO田村優などが先週と同じだった。

 

 先制はジャパン。敵陣深くに攻め込むも、なかなかトライを奪えない。ウルグアイが反則を犯していたため、攻撃は途切れなかった。10分、田村が左に展開。FB尾﨑晟也が大外に長いパスを送った。パスを待つかたちとなった根塚だが、ウルグアイディフェンスの追撃を抑え、トライを挙げた。田村のコンバージョンキックは外れたものの、5点を先制した。

 

(写真:堀川HCが「ボールを前に運んでくれる選手」と評価したタタフ。そのパワーを遺憾なく発揮)

 17分に田村のPGで加点したジャパンは、そこからしばらくスコアできない時間が続いた。35分にはウルグアイにPGを返された。このまま1トライ差で試合を折り返すと思われたが、40分にNo.8テビタ・タタフが魅せた。右ラインアウトから小川のパスを受けると、中央突破を図った。

 

 細かいステップで2人をかわすと、ディフェンスラインの隙間をぶち抜いた。ゴールポストの真ん中に飛び込むトライ。田村のコンバージョンキックも決まり、15-3で前半終了。後半に入ってもジャパンは優位に試合を運んだ。

 

(写真:久々のテストマッチで2トライを挙げた日野<ヘッドキャップ>。)

 4分には山本のパスにHO堀越康介が抜け出してトライ。18分に1トライを返された後、23分と32分にラインアウトモールで雪崩れ込んだ。いずれもトライは堀越に代わって入った日野剛志。5年ぶりの代表キャップとなった男が“代表昇格”へ大いにアピールした。終盤に1トライ1ゴールを奪われたもの、試合は危なげなく34-15でノーサイド。今季テストマッチ初戦を白星で飾った。

 

 この試合の指揮を執ったNDSの堀川隆延HCは「80分通してゲームを支配できた。安心して見ることができた」と評価した。セットプレーも安定していた。スクラムで相手の反則を誘う場面もあり、ラインアウトからスコアに繋げた。

 

 NDS組はこれで一旦解散となる。チャリティーマッチ、テストマッチ2連戦をいずれも勝利した。「いいチーム。2週間だけとは思えないまとまりだった。すごく楽しませてもらった」と田村。堀川HCは「1人でも多くの選手が代表に入って、活躍してくれることを心から願っています」と語った。

 

(写真:来週の試合はジョセフHCが指揮を執るジャパンがウルグアイと対戦する)

 来週のウルグアイ戦は、宮崎合宿中のジャパンメンバーで臨む。NDSから何人引き上げられるかも注目だ。

 

(文・写真/杉浦泰介)