25日、日本ラグビーフットボール協会は、9月に開幕する女子7人制ラグビーのW杯「ワールドカップセブンズ2022南アフリカ大会」に向けた女子セブンズ日本代表(サクラセブンズ)候補14人を発表した。今後は8月26日からの国内合宿を経て、9月1日に南アフリカ遠征メンバー13人を発表。8日に登録メンバー12人が絞られ、9日に初戦(対フィジー)を迎える。

 

 4度目のW杯に挑むサクラセブンズ。徳永剛チームディレクターが「私たちの強さ、今の立ち位置が明確にしたい」と語る大会。鈴木貴士HCは「ベスト8」を目標に掲げる。過去3大会は13位、13位、10位。16カ国・地域で争われるトーナメント形式のため、初戦のフィジー戦がノルマ達成の最初で最後のチャンスとなる。それゆえ指揮官も「試合の入りでどうなるか決まってくると思う」とポイントに置く。フィジーは東京オリンピックで銅メダル。パリオリンピックでのメダル獲得を目指すサクラセブンズにとっては格好の試金石となる。

 

 昨年9月よりスタートした鈴木HC体制。「立つ、動く、戦うの3つの言葉を大事にポリシーとしてやってきました。常に7人が立ち、常に動き続けて一瞬の勝負に勝ち続ける。3つの言葉を体現できる選手を選考しました。どの選手が出ても自信を持って送り出せます」 と14人を選んだ。主将は引き続き、平野優芽が務め、ベテランの中村知春はプレーイングコーチとして帯同する。中村は「格上のチームと対戦する時に必要なのは勢いと我慢強さがカギになるので、チームに言い聞かせていきたい」と語った。

 

「選手内で『リンクアップ』というキーワードを掲げています。“リンク”は繋がる。お互い目を見てしんどい時も顔を上げて前を向きながら頑張ること」と平野。このキーワードは大竹風美子らが中心にとなって考案し、6月のフランス遠征後の国内合宿から用いるようになったという。考案者の大竹は「誰か1人が言ったらみんなに伝染し、鼓舞する言葉になったらいいと思ってつくりました」と説明する。その後、今月15日(現地時間)にチリで行われた「ワールドラグビー・セブンズチャレンジャーシリーズ2022」(CS)を制し、来季(今年12月スタート予定)ワールドラグビー・セブンズシリーズ(WS)にフル参戦できるコアチーム昇格を果たしたのは記憶に新しい。

 

 CSでの優勝に導いた粘り強いディフェンスは、中村や平野が「マイクロトーク」と称した選手間での細かい声掛けによる結束がもたらした。W杯は格上が相手。肉体的にも精神的にも厳しい場面が訪れるはずだ。初のベスト8へ、「リンクアップ」の掛け声と共にチームで乗り越えたい。

 

(文・写真/杉浦泰介)

 

【女子セブンズ代表候補】

大黒田裕芽(東京山九フェニックス)

大竹風美子(東京山九フェニックス)

大谷芽生(立正大学/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)

梶木真凛(自衛隊体育学校)

小出深冬(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)

三枝千晃(北海道バーバリアンズ ディアナ)

須田倫代(追手門学院VENUS)

中村知春(ナナイロ プリズム福岡)

永田花菜(日本体育大学)

バティヴァカロロ アデサ優海(ながとブルーエンジェルス)

原わか花(東京山九フェニックス)

平野優芽(ながとブルーエンジェルス)

弘津悠(ナナイロ プリズム福岡)

水谷咲良(東京山九フェニックス)