プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ第2戦が9日、セ・パ両リーグで行われ、パは福岡ソフトバンク(2位)が埼玉西武(3位)に8対2で連勝し、12日から始まるファイナルステージに駒を進めた。セは横浜DeNA(2位)が阪神(3位)に1対0で勝利し1勝1敗となり、決着は10日の第3戦に持ち込まれた。第3戦の予告先発はDeNAが6年目の濵口遥大、阪神が5月に育成から支配下に復帰した才木浩人と発表された。

 

 また、西武は試合後、辻発彦監督の今季限りでの退任を発表。2017年に就任した辻監督は18、19年のリーグ連覇を含め、在任6年間でチームを5度のAクラス入りに導いた。6年間の通算戦績は432勝372敗31分けだった。

 

◇クライマックスシリーズ・ファーストステージ

10月9日(日)

7番・大和、古巣相手に決勝タイムリーヒット

(DeNA1勝1敗 横浜 33,037人)

阪神タイガース

0=000|000|000

1=000|010|00☓

横浜DeNAベイスターズ

勝利投手 大貫(1勝)

セーブ  山﨑(1S)

敗戦投手 伊藤将(1敗)

 

 継投策がハマったDeNAが虎の子の1点を守り抜いた。今季チームトップタイの11勝を挙げた大貫晋一は、初回から丁寧にコーナーを突くピッチングで得点を許さない。1点リードで迎えた7回表に1死三塁のピンチを招いたところで2番手の伊勢大夢へ。後続を打ち取った伊勢は8回も続投し、3者連続三振。9回は守護神の山﨑康晃が3人で危なげなく締めた。

 

東浜巨、5回1失点の粘投!CS10試合目で初勝利

(ソフトバンク2勝 PayPayドーム 39,354人)

埼玉西武ライオンズ

2=000|010|001

8=004|100|21☓

福岡ソフトバンクホークス

勝利投手 東浜(1勝)

敗戦投手 今井(1敗)

本塁打 (西)山川ソロ

    (ソ)柳田満塁

 

 この日も主砲が第2打席で魅せた。第1戦の第2打席で3ランを放ったソフトバンクの柳田悠岐は1回裏の第1打席、相手先発の今井達也にスライダーを引っ掛けさせられセカンドゴロに倒れていた。しかし、3回裏2死満塁で迎えた第2打席、同じスライダーを今度は巧くすくい上げると、打球はフェンスを越え右翼テラス席へ。これが決勝弾となった。

 

「奇跡です」。そう振り返る柳田の首には湿布が貼られている。9月30日、楽天戦の守備でフェンスに激突し後頭部を強打した。戦線離脱も予想された中、翌日の西武戦にスタメン出場すると、ホームランを含む3安打を放って周囲の不安を一掃した。負傷後はCSを含めて4試合連続ホームラン中。痛みに耐えながら、大一番で結果を出し続けている。

 

 柳田の一発でファーストステージを突破したソフトバンクは、ポストシーズンの連勝記録を「18」に更新。CSファイナルステージ進出は日本一を果たした20年以来2年ぶりとなった。待ち受けるのは今季、シーズン勝率で並びながら直接対決の結果で優勝を譲ったオリックス。敵地・京セラドーム大阪で因縁の相手にリベンジを狙う。

 

(文/古澤航)