プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は14日、ファイナルステージ第3戦が行われ、セ・リーグは東京ヤクルトが阪神に6対3で逆転勝ち。アドバンテージ1勝を含む4勝をあげ、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。パ・リーグは福岡ソフトバンクがオリックスを相手にファイナルS初勝利を掴み取り、逆転でのCS突破に望みをつないだ。
15日に行われる第4戦の予告先発は、山岡泰輔(オリックス)-和田毅(ソフトバンク)と発表された。
◇クライマックスシリーズ・ファイナルステージ
10月14日(金)
ファイナルS、2ホーマーのホセ・オスナがMVP
(ヤクルト4勝 神宮 29,343人)
阪神タイガース
3=000|120|000
6=000|000|51☓
東京ヤクルトスワローズ
勝利投手 田口(1勝)
敗戦投手 青柳(1敗)
セーブ マクガフ(2S)
リーグ王者が泥臭く最後の1勝をもぎ取った。阪神先発の青柳晃洋に6回まで無得点に抑えられていたヤクルトは7回裏、思わぬ形でビッグイニングをつくる。制球を乱した青柳から3四死球で2死満塁のチャンスをつくった後、山崎晃大朗の打球はファーストへのボテボテのゴロ。これをジェフリー・マルテがセカンドへ悪送球し、ランナー2人が生還する。
1点差に詰め寄ると2番手・浜地真澄から宮本丈が四球を選んで、再び塁が埋まる。ここで打席には三冠王の村上宗隆。カウント2-2から外角の直球をフルスイングしたものの、またも打球は一塁線への平凡なゴロに。しかし、慌てた浜地のトスはファースト、マルテの頭上を大きく越える大暴投。さらに3人が還り、この回、内野安打1本で5点を奪った。
8回にも途中出場の山田哲人がタイムリーツーベースを放ち、リードを広げたヤクルト。最後は守護神のスコット・マクガフが3人で締めて、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。7回裏の攻撃について、「全力でやっている姿そのもの」と笑顔で選手を称えた高津臣吾監督。スイープでリーグ最強を証明したヤクルトが、球団史上初の2年連続日本一に挑む。
ドラフト4位ルーキー野村勇がCS初ホームラン
(ソフトバンク1勝3敗 京セラD大阪 27,526人)
福岡ソフトバンクホークス
3=200|000|100
0=000|000|000
オリックスバファローズ
勝利投手 千賀(1勝)
敗戦投手 田嶋(1敗)
セーブ モイネロ(1S)
本塁打 (ソ)野村勇ソロ
エースが崖っぷちのチームを救った。ソフトバンク先発の千賀滉大は、最速161キロの直球にフォークなどの変化球を織り交ぜた熟達のピッチングを披露。6回3安打無失点で試合をつくり貴重な1勝を呼び込んだ。オフにはメジャーリーグ挑戦も視野に入れる29歳は試合後、「まだ試合はあるので少しでも力になれれば」と逆転でのCS突破へ、フル回転を誓った。
(文/古澤航)