プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は15日、パ・リーグでファイナルステージ第4戦が行われ、リーグ王者のオリックスが福岡ソフトバンクにサヨナラ勝ちし、2年連続での日本シリーズ進出を決めた。ソフトバンクは7回に一時同点に追いついたものの、逆転は叶わなかった。東京ヤクルトとオリックスが対戦する日本シリーズは、22日に神宮球場で開幕する。

 

◇クライマックスシリーズ・ファイナルステージ

10月15日(土)

先制2ランホーマーの吉田正尚がMVP

(オリックス4勝1敗 京セラD大阪 33,717人)

福岡ソフトバンクホークス

2=000|000|200

3=000|200|001☓

オリックスバファローズ

勝利投手 阿部(1勝1S)

敗戦投手 モイネロ(1敗1S)

本塁打 (ソ)デスパイネ2ラン

    (オ)吉田正2ラン

 

 最終戦までもつれ込んだシーズンに続く、劇的な幕切れとなった。殊勲を立てたのは3番・中川圭太。2対2で迎えた9回裏1死二、三塁、相手の守護神リバン・モイネロのスライダーを力いっぱい弾き返した。打球が三遊間を抜けると、一塁へ駆け出しながら自陣ベンチに向かって右拳を握った。3対2。延長戦目前での決着だった。

 

 食い下がる宿敵を振り切った。4回裏に主砲・吉田正尚の右中間への特大2ランで先制したものの、7回表に3番手の山﨑颯一郎がアルフレド・デスパイネの同点2ランを被弾。直前の6回裏には追加点のチャンスで頓宮裕真のセンターへの大飛球を、牧原大成にスーパーキャッチされた。逆転でのCS突破を狙うソフトバンクの凄まじい執念にも怯まなかった。

 

 今季のオリックスはコロナ感染の影響もあり、厳しい前半戦だった。それでも、中嶋聡監督による独自のブルペンマネジメントなどが嵌まると、最大11.5ゲーム差をひっくり返し連覇まで駆け上がった。その集中力が、短期決戦でも活きた。日本シリーズの相手は昨季と同じく東京ヤクルトだ。試合後、「やり返す」と語った指揮官の思いはナインも同じである。

 

(文/古澤航)