秋にもかかわらず真冬のような寒さの日があり、ストーブの出番も近そうです。ストーブと言えば、プロ野球のストーブリーグが盛り上がっていますね。古巣の広島は、新井貴浩の監督就任が決定しました。現役時代の実績を含め、チームの顔にふさわしい人選です。社会人野球は日本選手権が開幕し、セガサミーは2日にパナソニックとの初戦に臨みます。

 

お客を呼べる監督

 新井は1999年に、駒澤大学からドラフト6位で広島に入団しました。当時は達川光男政権で、私はバッティングコーチでした。本人も分かっていることですが、とにかく新井は体が強かったですね。同じ駒澤大学の先輩で、「鬼軍曹」と呼ばれた大下剛史ヘッドコーチにどれだけ厳しくされようと、音を上げることはありませんでした。

 

 ルーキー時代を思えば、監督就任はもちろん、ホームラン王(05年)や打点王(11年)の獲得、阪神にFA移籍したりと全てが驚きの連続ですね(笑)。ただ、その後も2000本安打を打って名球会に入り、広島に復帰して3連覇にも貢献したチームの功労者です。まずは秋季練習から、どのようにキャンプ、オープン戦へとプランニングしていくか楽しみですね。

 

 PL学園の後輩にあたる、埼玉西武の松井稼頭央新監督にも期待していますよ。メジャーリーガーとして7年間プレーし、現役引退後も2軍監督として3年間、今季は辻発彦監督の下、ヘッドコーチを務め経験を積みました。そうした経験は監督に昇格しても、必ずプラスになるのではないかと思います。

 

 野村克也監督がよく言っていましたが、監督業は「適材適所」が大事です。各チームの選手をしっかり見極めて、ベストな起用や采配を行う。近年で言えば、東京ヤクルトの高津臣吾監督がいい例です。独立リーグや2軍での監督時代に得た知見を活かして、結果を出していますからね。現役時代の恩師である野村監督から引き継いだ財産も大きいのでしょう。

 

旬の選手に期待

 社会人野球に話を移すと、日本選手権が京セラドーム大阪で開幕しました。われわれセガサミーが2日の初戦で対戦するパナソニックは、伝統のあるチームです。ピッチャーも頭数が揃っており、左の榎本亮投手、サイドハンドの與座健人投手、さらにはルーキーの井奥勘太投手は特に好投手という印象です。

 

 失点率が大事とはよく言っていますが、やはり点を取らないことには勝てませんからね。その中で、初戦っていうのは相手チームも絶対にエース級が投げる。だからこそ、パナソニックの先発に対して、セガサミーの打線にどれだけ対応する力があるかっていうのが、一つのキーポイントになると考えています。

 

 チーム状態に目を向けると、選手権の予選が終わってから約50日が経ちました。プロのように連戦が続くわけではありませんが、しっかり実戦をこなしてこれたと思います。10月の初旬には企業大会でも優勝を飾ることができましたし、前回の都市対抗を含め、経験を力に変えることが大事ですね。

 

 目標はいつも変わらず“一戦必勝”です。優勝というのはどこのチームも目指すところなので、一戦一戦をいかに我々がマネージメントするか。社会人は各チームともメンバー的にはほとんど変わっていません。ですので、セガサミーとしてもやっぱり旬の選手をしっかり見極めて使っていきたいなと思います。

 

 それでは今回のコラムはこのへんで! プロ野球はオリックスの日本一でシーズンが幕を閉じましたが、先述した新井監督や松井監督も含めて、来年もぜひ熱いペナントレースを繰り広げてくれると期待しています。

 

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