フィギュアスケート男子で五輪2連覇(ソチ大会、平昌大会)を達成し、7月にプロに転向した羽生結弦が4日、横浜市内のぴあアリーナMMで初となる単独アイスショー「プロローグ」を開催した。明日5日も同会場でアイスショーを行い、12月には青森県八戸市で行われる。

 

 入場した羽生にスポットライトが当たると「これより6分間練習を始めます。選手は練習を始めてください」というアナウンスが流れた。競技会さながらの演出に7900人の観客は沸いた。

 

 6分間練習で氷の感触をつかむと、以下の順でプログラムは進行した。
・SEIMEI
・CHANGE

※会場のリクエスト レッツゴークレイジー

※スパルタカス(ノービス時代のものを披露)

・ロミオ+ジュリエット

・いつか終わる夢

・春よ、来い

※アンコール パリの散歩道

 

 「プロローグ」はSEIMEIからスタートした。アイスショー仕様で4分7秒だった。「ジャンプの本数は少ないが、敢えて(競技会から離れ)プロになったからこそできるトリプルアクセル3発などを、やってみました。もの凄く緊張しました」と語った。

 

 自身で振り付けをした「いつか終わる夢」と「春よ、来い」は、氷上にプロジェクションマッピングが映し出される演出があった。「本格的なプロジェクションマッピングは初めて演出として組み込んでもらいました。皆さんのフィギュアスケートを見る目がまた変わったと思います。会場の近場から見るスケート、上から見るスケート、カメラを通して見るスケートは全く違った見え方だと思うので、その違いも楽しんでいただけたらなと思うプログラムです」と羽生。自身の表現力と光をうまく融合させ、観客を幻想的な世界へと誘った。

 

 この「プロローグ」というショーに込めた思いを羽生はこう述べた。

「これから始まる物語のプロローグ。抽象的な話になってしまいますが、自分がこれからまた新たな決意を胸に目標や夢に向かって一歩ずつ進んで行くんだということ、自分が経験してきたこと、皆さんに力をもらってきたことを共有しながら次のステップに繋がるように、と思いを込めてこの章(ショー)を企画・構成しました」

 

 プロスケーターでありながら、アーティストでもある羽生結弦の物語は、まだ始まったばかりだ。

 

(文/大木雄貴)