(写真:『THE MATCH』でK-1の山崎秀晃にKO完勝した原口健飛 ©RISE)

 早いもので、『THE MATCH』那須川天心vs.武尊から5カ月が経とうとしている。

 勝者・那須川はプロボクサー転向への準備に入り、敗者・武尊は休養宣言、その後にK-1を離れた。そして日本キックボクシング界は、新たな時代へと突入している。

 

 K-1では武尊が返上したスーパー・フェザー級王座を巡ってのトーナメントが、9月に横浜アリーナで行われた。そこで優勝したレオナ・ぺタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)が新チャンピオンとなり、フェザー級王者の軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)とともに今後のK-1軽中量級戦線をリードしていくこととなった。

 

 一方のRISEはGLORYと提携し、<日本vs.世界の強豪>路線を推し進める。さらにシュートボクシングとも手を組み、12月25日、東京・両国国技館でビッグイベントを開催する。イベントタイトルは、『RISE WORLD SERIES/SHOOT BOXING-KING 2022』。現時点(11月11日時点)で発表されている主な対戦カードは次の通りだ。

 

▶スーパー・ライト級(65キロ以下)3分×3R/延長1R
原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/前RISEライト級王者)vs.ザカリア・ゾウガリー(モロッコ/GLORY世界フェザー級1位)

▶スーパー・ライト級(65キロ以下)3分×3R/延長1R
白鳥大珠(TEAM TEPPEN/元RISEライト級王者)vs.アブデラ・エズビリ(フランス/GLORY世界フェザー級4位、ISKA世界ウェルター級王者)

▶スーパー・ライト級(65キロ以下)3分×3R/延長1R
ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/ GLORY世界フェザー級王者、RISE世界スーパー・ライト級王者)vs.山田洸誓(正道会館KCIEL/RISEスーパー・ライト級王者)

▶63.5キロ以下契約 3分×3R/延長1R
笠原弘希(シーザージム/SB日本スーパー・フェザー級王者)vs.チャド・コリンズ(オーストラリア/WMCインターナショナルスーパー・ライト級王者、WKA豪州同級王者)

▶フライ級(52キロ以下) 3分×3R/延長1R
小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENフライ級王者、WPMF女子世界同級王者)vs.テッサ・デ・コム(フランス/Enfusionストロー級王者)

▶バンタム級(55キロ以下) 3分×3R/延長1R
鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級王者)vs.志朗(Be WELLキックボクシングジム/RISE同級1位)

▶SBルール95キロ以下契約 3分×3R/延長無制限R
坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級3位)vs.南原健太(極真会館/RISEヘビー級3位)

▶ミドル級(70キロ以下)3分×3R/延長1R
憂也(魁塾/前DEEP☆KICK-65キロ級王者)vs.T-98(フリー/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパー・ウェルター級王者)

 

(写真:10月、東京・大田区総合体育館でYA-MANからダウンを奪い、判定完勝を収めた白鳥大珠 ©RISE)

 国際試合を中心に、日本軽量級トップファイター同士の対決、さらにはRISEとシュートボクシングの対抗戦もあり興味深いカードが並ぶ。また今後、追加対戦カードが発表される予定。

 

「ポスト那須川天心」は誰か?

 これは、RISEの一つのテーマであり、その答えが導き出されるイベントになるかもしれない。今年のクリスマスは「珠玉のキックファイト」が堪能できる─―。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶11月12日(土)、東京・後楽園ホール/「DEEP 110 IMPACT」バンタム級暫定タイトルマッチ、COROvs.石司晃一ほか

▶11月13日(日)、兵庫・契明ジム/「ACF 79th」ラーテル湧人vs. RIKIほか

▶11月19日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2022 vol.7」龍聖vs.グ・テウォンほか

▶11月20日(日)、東京・後楽園ホール/「KICK Insist14」吉成名高vs.チャイチャナー・ウォーヴィセットジムほか

▶11月23日(祝)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2022 6th ROUND」力也vs.海飛ほか

▶11月26日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.143」スーパー・バンタム級タイトルマッチ、璃明武vs.永坂吏羅ほか

▶11月27日(日)、東京・後楽園ホール/「プロ修斗公式戦 2022 Vol.7」環太平洋バンタム級チャンピオンシップ、石井逸人vs.藤井伸樹ほか

▶12月3日(土)、エディオンアリーナ大阪/「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN」初代バンタム級王座決定トーナメントほか

▶12月3日(土)4日(日)、東京体育館/柔道「グランドスラム東京2022」

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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