4日、ラグビーの関東大学対抗戦Aグループが東京・国立競技場で行われ、明治大学が早稲田大学を33-21で下した。明大は6勝1敗で勝ち点28となり、2位をキープ。敗れた早大は5勝2敗で勝ち点23とした。全国大学選手権には対抗戦から帝京大学、明大、早大、慶應義塾大学、筑波大学の5校が出場する。

 

 伝統の早明戦、対抗戦での国立開催は9年ぶりということもあり、既に優勝は帝京大に決まっていたが3万5000人を超える観客が集まった。

 

 試合前の時点で2位・早大と3位・明大の大学選手権出場も確定している。しかし2位と3位では大きな違いだ。2位に入ればシードBとして準々決勝(25日)からのスタートで3位と関東大学リーグ戦3位・東洋大学の勝者を待つかたちだが、3位は中6日(東洋大戦)で次戦を迎えなければならない。

 

 試合は「最初の10分で圧力を受けてしまった」と早大の大田尾竜彦監督が振り返ったようにキックオフから勢いに乗ったのは明大だった。前半2分、ラインアウトから展開し、SO伊藤耕太郎(3年)が近場のCTB齊藤誉哉(4年)にパス。齊藤がインゴール左中間に飛び込んで先制点を挙げた。CTB廣瀬雄也(4年)がコンバージョンキックを決め、7-0とした。

 

 9分にはフェーズを重ねて連続攻撃。最後は廣瀬の飛ばしパスからWTB石田吉平(4年)がインゴール右隅に滑り込み、リードを広げる。石田は背番号11ながら右サイドに位置し、アタックを牽引した。角度のないコンバージョンキックを廣瀬が成功し、14点差をつけた。

 

「セットプレーでワセダにプレッシャーをかけられた」と神鳥裕之監督。2週間前に帝京大に苦しめられたスクラムでも圧倒し、ゲームを優位に進めた。25分には伊藤のアシストでFB安田昂平(2年)がトライ。廣瀬がまたしても確実にコンバージョンキックを射止め、21-0と3トライ3ゴール差を付けた。

 

 一方的な展開になるかと思われたが、ここで早大の反撃を遭う。28分にWTB松下怜央(4年)、ロスタイムにはFB小泉怜史(4年)にトライを奪われた。いずれもCTB吉村紘(4年)にコンバージョンキックを決められ、スコアは21-14と迫られた。

 

 ハーフタイムのロッカールームは「リードしているにも関わらず暗かったので、『もっと明るくいこう』と声をかけた」(石田)という。主将に発破をかけられた明大フィフティーンは3分に齊藤のインターセプトトライで加点。廣瀬のコンバージョンキックも決まり、早大を突き放す。

 

 早大のキックを多用するアタックに苦しめられ、再び7点差に詰められたものの、スクラムで相手に渡しそうな流れを奪い返した。相手ボールスクラムでも反則を誘うなど、優位に。34分には敵陣深くでのスクラムから途中出場のSO池戸将太郎(3年)がインゴール中央に飛び込んだ。廣瀬のコンバージョンキックが決まり、35-21とほぼ勝負を決めた。

 

 このままリードを守り切り、ノーサイド。98回目の定期戦は明大に軍配が上がった。2位をキープしたことにより、大学選手権初戦(準々決勝)は3週間後の25日となった。

 

(文・写真/杉浦泰介)