サッカーカタールW杯ノックアウトステージ準々決勝のアルゼンチン代表対オランダ代表戦が9日(現地時間)に行われた。試合は前半35分にアルゼンチンがMFナウエル・モリーナの得点で先制すると、後半28分にFWリオネル・メッシのPKでリードを広げた。だが、パワープレーに出たオランダが38分にFWボウト・ベグホルストのヘディングで1点を返すと、アディショナルタイムにセットプレーから再びベグホルストの得点で延長戦に持ち込んだ。15分ハーフの延長戦では決着がつかず、PK戦の結果、4対3でアルゼンチンが準決勝に進出した。

 

 メッシ、4ゴール目で得点ランク2位

アルゼンチン代表 2-2 オランダ代表

       (PK戦 4-3)

【得点】

[ア] ナウエル・モリーナ(35分)、リオネル・メッシ(73分)

[オ] ボウト・ベグホルスト(83分、90+11分)

 

 前半35分、メッシのスルーパスがさく裂する。右サイドでボールを受けると内側に切れ込みながらタメを作る。この間に右ウイングバックのモリーナがペナルティーエリア内にフリーランで侵入する。相手DF陣の隙を縫うようにメッシがノールック気味にスルーパスを通すと、モリーナがワントラップし、GKの目の前で右足のつま先でボールを押し込んだ。メッシの針の穴を通すようなスルーパスが演出した見事な得点だった。

 

 後半26分にはMFアクーニャがペナルティーエリア内左サイドで鋭く切り返すと、たまらずMFデンゼル・ダンフリースが足をかけてしまい、主審はPKスポットをさした。このPKをメッシが冷静に決めてアルゼンチンがリードを広げた。

 

 しかし、ここからオランダはパワープレーに切りかえる。すると38分、右サイドからのクロスボールにベグホルストが頭で合わせてオランダが1点を返した。

 

 アルゼンチンはオランダのパワープレーに手を焼く。後方からのロングボールにゴール前で競ろうとするものの、ゴール前で不用意なファウルを犯してしまう。ペナルティーエリア手前、やや左の角度。一般的には直接狙う距離だった。しかしオランダは直接狙わず、エリ内にいるベグホルストのショートパス。ベグホルストはDFを背負いながらしぶとく左足インサイドでシュートを打つと、これがゴールネットに吸い込まれた。

 

 延長戦にもつれたが、両者得点ならず。決着はPK戦へ。先攻のオランダが2人失敗したのに対し、アルゼンチンは失敗を1つにとどめ、4対3でアルゼンチンが準決勝に進出した。

 

(文/大木雄貴)