第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会決勝が7日、大阪・花園公園ラグビー競技場で行われ、東福岡が報徳学園(兵庫)を41-10で破り、6年ぶり7度目の優勝。敗れた報徳学園は春の全国高等学校選抜大会、夏の全国高等学校7人制大会と合わせた史上4校目の高校3冠はならなかった。

 

 春の選抜、夏の7人制決勝でいずれも敗れていた相手(選抜は不戦敗)に快勝した。「グリーンウォールという緑の壁を報徳学園さんにやり続けよう、が合言葉だった」と東福岡の藤田雄一郎監督。築き上げた堅い守りで、花園を6年ぶりに制した。

 

 先手を奪った。キックオフ直後、敵陣でのボールをFL大川虎太朗(3年)がキックチャージ。そこからボールを奪い、右へ展開。CTB西柊太郎(3年)がキックを蹴る振りしてタイミングをずらし、外へ飛ばしパス。WTB上嶋友也(3年)がパスダミーで内を突き、インゴール右に飛び込んだ。ノーホイッスルトライで5点を先制した。

 

 13分にラインアウトをスティールしてからのカウンターで1トライ1ゴールで12点差としたが、23分にキックチャージからトライを許し、前半は12-7で終えた。後半3分にSO伊藤利江人(3年)のPGで2点差まで迫られた。「苦しむ時間があるのは想定内」と藤田監督。選手たちも慌てなかった。

 

 11分、SO高本とわ(3年)がインゴール前の空いたスペースに蹴り込む。これを西が掴んで、そのままゴールポスト下に滑り込んだ。18分にはCTB永井大成(3年)のオフロードパスから上嶋がトライ。24分にNo.8藤井達哉(3年)がトライを挙げ、33-10で勝利をほぼ決定付けた。

 

 最後まで攻め手を緩めぬ東福岡は28分にSH髙木誠治(3年)がPGで加点すると、ノーホイッスルトライでトドメを刺す。自陣から左に展開。大外でボールを持った上嶋が左サイドを駆け抜けた。インゴールまでの60m以上を1人で走り切り、ハットトリックを達成した。

 

 41-10でノーサイド。東福岡は6大会ぶりの花園制覇だ。5大会連続でベスト4だった藤田監督は「5年間の壁も大きかった。彼らも3年間地道にできることを、自分をコントロールしながら、高校生活、ラグビーを続けてきた。すごい3年間だと思います」と3年生を称えた。この日のスタメンは全て3年生。約60分間、交代なしで戦い抜いた。「3年生の底力はすごい。いろいろな思いで我慢してきた3年間。ここで3年生の力を発揮でき、うれしく思う」と喜んだ。

 

(文/杉浦泰介)