第190回 もっと広がれ!シニアサッカーの輪

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 早いもので新年があけて、もう1カ月が経過しました。1月8日にJFAシニアフェスティバル in 千葉 ~千葉県高校サッカー部OB交流フェスティバル~の第2回目大会が幕張にあるJFA夢フィールドで開催されました。僕は市立習志野高校OBオーバー50として参戦してきました。今回は700名(前回は約400名)を超える選手たちがエントリー。白熱した好試合ばかりでしたね。

 

 何歳になってもキラキラと!

 

 カテゴリーはオーバー40、オーバー50、オーバー60と3。年齢を重ねても、サッカーを続けている人々がこんなに多くいるのかと、僕は嬉しかったです。サッカーを生涯スポーツとしてみんなが続けていける流れをつくっていきたいものです。何歳になっても試合が始まれば“勝ちたい”と思い、少々無理をしたりもする場面もありましたが、僕もみなさんも現役当時、学生当時の思いが呼び起こされた感じがして良かったです。

 

 試合は世代別ですが、オフ・ザ・ピッチになれば世代は一切、関係なく参加者全体で交流が生まれたりとシニアサッカーは楽しいですよ。何よりもみなさん、ハツラツ、かつキラキラとした表情でした。もっともっと全国でこの大会が行われればいいなぁなんて思っています。

 

 僕個人としては、今回はちょっと悔しさが募りました(笑)。予選は1勝2敗、7位決定戦にまわり市立船橋OBチームに0対1で敗れました。大会後、チームメイトと「やっぱりみんなで合同練習しないとダメだね」と。DFラインの裏でほしいのに足元にボールが入ってきたりなど、連係面が合わなかったりで反省点が多かった。「楽しんでやるにしても、ある程度統一した戦い方が必要だよね」と少々“ガチめ”な話になりました。

 

 この大会は8人制(20分一本)です。8人ならではの面白さと難しさも感じました(まあ、難しいから楽しいとも言えるのですが)。最初は3-2-2で臨みましたが中盤の2枚がボールを受けるためにサイドに開くと、ボールを奪われた時にキュッとコンパクトになりきれなかった。2試合目からは3-3-1にして安定をはかりました。GKを除く7人をどう配置すべきか、といった頭を使うのでこれはこれで面白さがありますね。

 

 異彩を放った金田喜稔さん

 

 前回に続き、今回も「JFAシニアサッカーアンバサダー」の金田喜稔さんもゲストプレーヤーとして参加されていました。相変わらずボールタッチがなめらかなこと! 代表のOB戦でも集まったりして、“キンタダンス”と呼ばれるフェイントを披露されていましたが、今回もドリブル、トラップ、鮮やかなタッチは健在でした。

 

 僕らくらいの年代(50代後半)はたとえば、会社でのポジションも落ち着いてきて少しプライベートで時間ができたりもするようです。あとは健康のために運動もしたいという人も多いようで、シニアサッカーが熱を帯びてきているようです。この輪をもっと広めていければなと、思います。

 

●大野俊三(おおの・しゅんぞう)

<PROFILE> 元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザの総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。

*ZAGUEIRO(ザゲイロ)…ポルトガル語でディフェンダーの意。このコラムでは現役時代、センターバックとして最終ラインに強固な壁を作った大野氏が独自の視点でサッカー界の森羅万象について語ります。

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