(写真:ⓒJRFU)

 5日、第9回全国女子ラグビーフットボール選手権大会決勝が神奈川・小田原城山陸上競技場で行われ、東京山九フェニックスラグビークラブが日本体育大学ラグビー部女子を27-24で破った。単独チームとしては同大会初優勝の東京山九フェニックスは、7人制の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズとの2冠を達成した。

 

 先制したのは日体大。前半27分、CTB松田凛日がキックチャージでボールを奪い、そのままトライを挙げる。35分にはCTB人羅美帆のキックパスをキャッチしたWTB東あかりが右サイドを駆け抜けた。SO新野由里菜がコンバージョンキックを1本成功し、12-0とリードした。

 

 東京山九フェニックスは前半ロスタイムにHO柏木菜月がインゴールに飛び込み、FB大黒田裕芽がコンバージョンキックを決めて5点差でハーフタイムを迎えた。後半2分にWTB鹿尾みなみがインゴール左隅にトライを決めて追いつく。

 

 点の取り合いは続く。9分は日体大。PR小牧日菜多のトライと新野のコンバージョンキックで再び7点差をつけると、フェニックスは16分に柏木がこの日の2本目のトライで2点差に迫った。

 

 27分、キックチャージから日体大FB大内田夏月がトライを挙げ、7点差に。30分には東京山九フェニックスCTB岡元涼葉がインゴール左隅に飛び込んで2点差に詰め寄る。ここから約10分、スコアが止まった。

 

 幕切れは劇的。自陣22mライン付近でのマイボールスクラムからWTBニア・トリバーが大きくゲイン。敵陣に侵入した後も攻撃を継続した。右サイドにできたラックから左に展開。再びボールを手にしたのがトリバーだ。

 

 セブンズで東京オリンピックアメリカ代表のトライゲッターは爆発的なスピードで左サイドを駆け抜ける。タッチラインを割りそうになりながらもギリギリ足を残し、インゴール左隅にボールを置いた。27-24と土壇場の逆転劇で東京山九フェニックスが今季2冠を達成した。

 

 ■東京山九フェニックス 鈴木実沙紀キャプテンコメント(日本協会発表)

「タフな試合になることはわかっていましたし、最後に優勝という形で終われたことを本当に嬉しく思います。自分たちの強みはスペースにどんどんボールを動かして、敵陣でも恐れずにスキルを使ってボールを運んでいくことです。今日は1年間取り組んできたことをしっかりと出せたと思います。個人的にはみんなに迷惑もかけましたけど、支えてくれたチームメイトに感謝しています。ご声援頂いた皆さん、ありがとうございました」