9日、「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(リーグワン)の静岡ブルーレヴズ(静岡BR)が来季新加入選手記者会見を静岡県内のクラブハウスで行った。会見には堀川隆延HCと、コンディション不良で欠席した東洋大学4年のFL/LO齋藤良明慈縁(さいとう・みらんじえん)を除く4人の新加入選手が出席。筑波大学4年のLO八木澤龍翔、京都産業大学4年のSO家村健太、東海大学4年のCTB伊藤峻祐、早稲田大学4年のWTB槇瑛人(まき・えいと)が、それぞれ意気込みを語った。

 

 今季は開幕から4連敗。第5節終了時点で勝ち星なしと苦戦続きだった静岡BRだが、ここにきて2連勝と復調の兆しを見せている。バイウイークの今週、アーリーエントリー選手の記者会見を行った。堀川HCはこのタイミングでの実施について、「例年なら新シーズン前に会見をしますが、今季よりアーリーエントリー制度が導入され、すぐにプレーすることが可能になりました。より多くの皆様に選手の魅力を知っていただきたいと思い、場を設けさせていただきました」と説明した。

 

 アーリーエントリーとは大学チームに所属している最終学年の選手が、手続きと一定の条件を満たすことでリーグワン公式戦に出場登録できる制度だ。昨季は大学卒業後の4月から出場可能だったのが、今季から選手契約および登録に関する規程が変更され、いち早く出場機会を得られることとなった。

 

「素晴らしい制度。若い選手にチャンスがあるということは重要だと思います」とアーリーエントリーを歓迎する堀川HC。他チームではD2の浦安D-Rocks(浦安DR)が11日の釜石シーウェーブ(釜石SW)戦にSH小西泰聖(早大4年)をリザーブ入りさせ、デビューする可能性も出てきた。静岡BRの5人も試合登録メンバー入りすれば試合に出場できる。

 

「各大学でキャプテンを務めるなど、素晴らしいリーダーシップを持った選手が加入してくれたのが大きな特徴です。チームでスキルを磨き、大きく成長していってもらいたいと思っています。とにかくこのチームに対し、共感性と非常に高いポテンシャルを持った選手、ブルーレヴズの将来を明るくしてくれるような人材が集まりました」
 堀川HCは1月末から合流した5選手をこう評する。会見で堀川HCは1人1人の特長を紹介した。

 

 中でもリーグワンデビューが近そうなのが槇(写真右)だ。今年1月の全国大学選手権決勝でも2トライを挙げた。スピードを生かしたランが持ち味のトライゲッターである。今月4日の練習試合(対浦安DR)に出場し、トライを挙げている。堀川HCも「外で勝負できる爆発的なスピードが魅力」と高く評価している22歳である。

 

 今季の静岡BRは奥村翔、山口楓斗ら若手BK陣の起用が目立つ。「自分の似たポジションの選手が出ているのは、自分の刺激になっています」と槇。10日の豊田自動織機シャトルズ愛知との練習試合にもメンバー入りしており、次週に再開するリーグ戦に向け、アピールを続けたいところだろう。連勝中のチームを加速させる存在となるか、期待は高まるばかりである。

 

(文/杉浦泰介、写真/静岡ブルーレヴズ提供)