日本サッカー協会は15日、都内で会見を開きキリンチャレンジカップ2023のウルグアイ代表戦(24日、東京・国立競技場)とコロンビア代表戦(28日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)のメンバー26名を発表した。A代表初招集は4名となった。一方、カタールワールドカップ(W杯)で主将を務めたDF吉田麻也(シャルケ04)やDF長友佑都(FC東京)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)らベテラン勢の招集は見送られた。

 

 森保ジャパン第2期の初戦、初招集はDF角田(つのだ)涼太朗(横浜F・マリノス)、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、DF半田陸(ガンバ大阪)、FW中村敬斗(LASKリンツ)の4名だ。

 

 角田は23歳、センターバックと左右のサイドバックをこなす左利きだ。バングーナガンデ佳史扶は21歳、左利きのサイドバック。半田は21歳の右サイドバック、中村は22歳の左ウイングで、現在オーストリアリーグで公式戦14ゴール7アシストと結果を残している。

 

 森保一監督は「(初招集の)4人ともチームでそれぞれ、存在感を発揮していて、スペシャルな特長を持っています」と前置きし、こう続けた。

 

「角田については、左利きセンターバックと左サイドバックを守っている。攻撃力もあり、後方からのビルドアップ、そして数的有利を作り出す技術を持っている。守備力と攻撃力が国際レベルでどれくらいできるか、見てみたい。この経験から成長してもらいたい。

 

 バングーナガンデ佳史扶、彼は左利きでFC東京でレギュラーとして左サイドバックで存在感を放っています。彼は攻撃に参加できるし、セットプレーのキッカーとしても良いボールを配球できる。守備の部分では同じFC東京の長友に比べるとまだまだ足りないところはあると思うが、国際試合で必要な経験を培えば、間違いなく日本の戦力になりうる。

 

 半田陸は以前から注目していました。モンテディオ山形時代と(アンダーカテゴリーの)森山ジャパンでも中心選手として活躍していた。その中で注目して見ていている中で、確実に山形と現所属のガンバ大阪で力をつけてきている。いい守備からいい攻撃につなげてW杯で勝っていくために、やらないといけない守備面で強度を発揮できて攻撃につなげられる選手。

 

 中村は、オーストリアで活躍しているので皆さんもご存じかと思います。得点という結果と左のウインガーとしてヨーロッパの舞台で存在感を放っている。私が東京五輪チームを兼任させてもらっていた時に招集させてもらったりしている中で、彼の成長を見てきたが代表という舞台でも戦える力をつけてきている。左サイドから得点につながるプレーを期待しています」

 

 森保監督がセンターバック、左右のサイドバック、左ウイングを探しているのは、新戦力のポジションからも明らかだ。吉田、長友、酒井の後釜候補として角田、バングーナガンデ、半田に白羽の矢が立った。

 

 中村の招集に踏み切ったのはなぜか――。MF三笘薫(ブライトン)を先発起用した際の新たなジョーカー探しなのではないだろうか。もちろん、招集される中村もはなっからジョーカー狙いのつもりはないはずだ。左サイドの競争に注目したい。

 

◆キリンチャレンジカップ2023ウルグアイ戦&コロンビア戦メンバー◆ 

GK

シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)

谷晃生(ガンバ大阪)

大迫敬介(サンフレッチェ広島)

DF

板倉滉(ボルシアMG)

冨安健洋(アーセナル)

伊藤洋輝(シュツットガルト)

橋岡大樹(シント=トロイデン)

★角田(つのだ)涼太朗(横浜F・マリノス)

瀬古歩夢(グラスホッパー)

菅原由勢(AZ)

★バングーナガンデ佳史扶(FC東京)

★半田陸(ガンバ大阪)

MF/FW

遠藤航(シュツットガルト)

伊東純也(スタッド・ランス)

浅野拓磨(ボーフム)

守田英正(スポルティングCP)

鎌田大地(フランクフルト)

西村拓真(横浜F・マリノス)

三笘薫(ブライトン)

前田大然(セルティック)

堂安律(フライブルク)

上田綺世(セルクル・ブルッヘ)

田中碧(デュッセルドルフ)

町野修斗(湘南ベルマーレ)

★中村敬斗(LASKリンツ)

久保建英(レアル・ソシエダ)

★は初招集

 

(文/大木雄貴)