サッカーキリンチャレンジカップ2023の日本代表対ウルグアイ代表戦が24日、国立競技場で行われ、1対1の引き分けに終わった。試合はウルグアイのMFフェデリコ・バルベルデが前半38分に先制点を決めた。日本は途中出場を果たしたMF西村拓真(横浜F・マリノス)が交代直後の後半30分、ファーストタッチでゴールに押し込み同点に追いついた。

 

 西村、出場後1分足らずで得点(国立)

日本代表 1-1 ウルグアイ代表

【得点】

[ウ] フェデリコ・バルベルデ(38分)

[日] 西村拓真(75分)

 

 カタールワールドカップ(W杯)でベスト16に進出して以来、約3カ月ぶりの代表戦。第二次森保ジャパンとして、ゲームを通じてどう戦い方に変化をもたらせるかに注目だった。

 

 森保一監督は前半からわかりやすい変化を加えた。予告通り4-2-3-1で試合をスタートさせたが、両サイドバックの菅原由勢(AZ)と伊藤洋輝(シュツットガルト)が内側にポジションを取った。いわゆる、“偽サイドバック”だ。

 

 カタールW杯で、選手たちが「主導権を握る、ボールを支配するサッカー」の必要性を説いていた。そのサッカーにトライしようとする姿勢は見えていた。しかし、代表選手たちに与えられる時間は短い。新たなスタイル構築にはすり合わせには時間を要するだろう。

 

 ダブルボランチのうち、1枚がDFの中央、もしくはサイドに落ちる。そして、サイドバックが中央に残るボランチの脇に入る。両サイドハーフのMF三笘薫(ブライトン)とMF堂安律(フライブルク)はワイドに張った。サイドバックが中盤に入るタイミング、微妙な立ち位置の違いにより、うまく機能したとは言い難かったが、興味深いチャレンジだった。

 

 1点をリードされ、ハーフタイムに入った。後半、どう修正するかに注目したが、“偽サイドバック”のトライを止め、オーソドックスな4枚に戻したのだ。

 

 試合後、森保監督はサイドバックの新たなトライについて、こう語った。

「サイドバックの選手に関しては、攻撃時にボランチの選手の高さや内側にポジションを取ってビルドアップに参加することをトレーニングでもやってきたので、この試合でもチャレンジしてほしいと伝えました。守備に関しては前線の選手と連係連動しながら個の局面でマッチアップする選手に勝ってほしいと伝えました。

 ハーフタイムの指示としては、前半うまくいかない部分ももちろんありましたけど、自分がどこで受けられるか、ポジショニング、タイミングを探すこと、ボールを受けられなくてもサイドにボールが入ったりする、相手を引き付けるポジショニングを使い分けていこうと選手たちに伝えました」

 

 この試合の前半のみで新たなチャレンジは「止め」なのか。もしくは「一時的な中断」なのか。28日に行われるコロンビア戦(大阪)も注視したい。

 

(文/大木雄貴)