サッカー日本代表(FIFAランキング20位)は20日、パナソニックスタジアム吹田でペルー代表(同21位)と対戦し、4対0で勝利した。試合は前半22分にDF伊藤洋輝(シュツットガルト)のA代表初ゴールで日本が先制。37分にはFW三笘薫(ブライトン)が追加点を決めた。後半に入ると、FW伊東純也(ランス)、FW前田大然が得点した。38分にペルーに1点を返されたものの日本が4対1で逃げ切った。

 

 伊藤洋、代表初ゴール(吹田)

日本代表 4-1 ペルー代表

【得点】

[日] 伊藤洋輝(22分)、三笘薫(37分)、伊東純也(63分)、前田大然(75分)

[ペ] クリストフェル ゴンサレス(83分)

 

 森保一監督は前節のエルサルバドル戦からスタメンを6名入れ替えた。今回のペルー戦にはGKに中村航輔(ポルティモネンセ)、左サイドバックに伊藤洋輝、アンカーに新キャプテンのMF遠藤航(シュツットガルト)、インサイドハーフにMF鎌田大地(シュツットガルト)、右ウイングにFW伊東純也(ランス)、センターFWに古橋亨梧(セルティック)を起用した。

 

 22分、スコアが動く。右サイドの伊東から、ピッチの遠藤、左サイドの伊藤洋輝とボールが渡る。相手DF陣はボールホルダーへのチェックが甘くなったところ、伊藤洋輝が得意の左足でミドルを放った。低い弾道のシュートはゴールニアサイドに突き刺さり、日本が先制に成功した。伊藤洋輝にとっては嬉しい代表初ゴールとなった。

 

 37分には、新エースが結果でファンの期待に応えた。右サイドバックのDF菅原由勢(AZ)、中央のMF鎌田大地(フランクフルト)とパスが通ると、鎌田は左サイドに開く三笘に展開。三笘は得意のカットインから右足を振り抜くとシュートは相手DFに当たってコースがかわり、ゴールネットを揺らした。

 

 後半18分、カタールワールドカップで名をあげたひとりで、この日は途中からピッチに入っていたFW前田大然(セルティック)が目立たないながら仕事をする。自陣から遠藤が前線にロングボールを送るとこれに前田が俊足をとばし、DFと競り合い潰れ役を担った。こぼれ球を鎌田が拾うと左サイドの三笘へつなぐ。新エースはタメを作り、グラウンダーのクロスを入れると、これを伊東が落ち着いてトラップ、GKをかわし冷静にゴールに流し込んだ。

 

 30分にはさきほど潰れ役になった前田にチャンスが訪れる。敵陣で前田が献身的なチェイシングから相手のパスをかっさらうと一気にゴール前へ。飛び出してきたGKの手を弾き見事、ゴールネットを揺らした。この8分後、ペルーに1点を返されたが、4対1で日本が勝利した。

 

 今回のキリンチャレンジカップでは、サイドバックが内側に絞るものの、中盤で渋滞が発生しないように、そのままボランチの横にとどまらずに縦に抜けていくなど3月からの多少の修正のあとが見られた。新しい景色のワールドカップベスト8進出のためにポゼッションサッカーへのシフトチェンジを掲げる森保ジャパン。次の活動は9月の敵地でのドイツ代表戦である。カタールワールドカップで倒したものの、今のスタイルでどこまで戦えるのか。ボール保持のためにはサイドバックの選手たちの成長が鍵を握るだろう。菅原がポジション争いで一歩リードした感がある。このまま菅原が差をあけるのか、それとも他の選手が待ったをかけるのか。サイドバックの競争に注目したい。

 

(文/大木雄貴)