今春のWBCで、野球日本代表(侍ジャパン)を3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督が任期満了退任となったことを受け、次期監督選びが熱を帯びてきた。

 

 

<この原稿は2023年6月26日号『週刊大衆』に掲載されたものです>

 

 スポーツメディアが報じている次期監督候補は、以下の面々。工藤公康(前福岡ソフトバンク監督)、高橋由伸(前巨人監督)、松井秀喜(現ヤンキースGM付特別アドバイザー)、イチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)、井口資仁(前千葉ロッテ監督)、井端弘和(現U-12野球日本代表監督)、古田敦也(元東京ヤクルト監督)、辻発彦(前埼玉西武監督)、松坂大輔(2006、09年WBC出場)、髙津臣吾(現東京ヤクルト監督)――。人選は侍ジャパン強化委員会が中心となって進め、8月いっぱいを目処に選定作業を終えるとしている。

 

 この10人の候補者の中で大本命はソフトバンクを5度の日本一に導いた工藤だ。短期決戦での勝負強さには定評がある。

 

 選手時代には西武、ダイエー、巨人で計14回も日本シリーズに出場し、11回も日本一になっている。

 

 このように「ザ・勝負師」ともいえる実績を誇る工藤だが、本人は「僕はくすぶっていたり、伸び悩んでいたりする若手を育てることに生き甲斐を感じるタイプ」と語っていた。

現在、彼は筑波大学大学院人間総合科学研究群スポーツ医学学位プログラムの博士課程で学ぶ大学院生。修士なら“二足のわらじ”も履けようが、狭き門の博士論文となると、そうもいくまい。いずれにしても、彼を軸に人選が進むのは間違いない。

 

 ではイチローと松井はどうか。ともに米国の野球人でも一目置くビッグネームだが、監督未経験がネック。とはいえ先の東京五輪で日本を金メダルに導いた稲葉篤紀の例もある。「経験豊富なコーチを側におくことで、その問題は解決できる」(元代表コーチ)という声もある。

 

 新監督の初陣は11月に東京ドームで行われるアジアプロ野球チャンピオンシップとなる見通しだ。

 


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