23日、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は「ラグビー日本代表2023新ジャージー発表会」を東京・丸ビルで行い、W杯フランス大会でジャパン着用モデルを披露した。前回日本大会で着用したジャージーの“兜”のコンセプトは継承。ファンから集めたウェアをリサイクルした再生繊維を素材に製造された。

 

 19年W杯大会後のパレードを行った丸の内仲通りに面する丸ビルで、新ジャージーは発表された。発表会には現在、千葉・浦安で合宿中のジャパンメンバー5人(LOワーナー・ディアンズ、FL姫野和樹、SH齋藤直人、SO松田力也、SO李承信)も駆け付けた。JRFUの土田雅人会長は「(パレードを行った)丸の内で、新しいジャージーを発表できることを大変うれしく思っています」と挨拶。新ジャージーを開発・製造したゴールドウィンの渡辺貴生社長は「1997年から今回で7回目、日本代表のジャージーをサポートさせていただいたいます。機能的な面で見ても、おそらく過去最高のジャージーになったと思います」と胸を張った。

 

 開発総責任者の石塚正行氏によれば、軽量性、快適性で前回大会のジャージーより向上しているという。日本代表選手、リーグワン所属選手の84人のデータを計測、分析し、2種類の基本モデルを作成。選手からの評判も上々だ。発表会に出席した齋藤が「着心地は以前より軽くなりました。フィット感もタイトすぎず、相手につかまれにくいので、プレーにいい影響を与えると思う」と語れば、李は「胴体のフィット感が増して、ゲームで最大限のパフォーマンスを出すためにつくられていると感じました」と口にした。

 

 また今回のジャージーの特徴が素材だ。ファンから集めた計1266枚の「不要になったものではなく大切にし、思い出の詰まったウェア」(石塚氏)をリサイクル加工した再生ポリエステル繊維を元につくられている。姫野は「選手としてファンの思いを、ジャージーを着て、肌で感じられることはすごく心強い。またこの歴史のある日本代表のジャージーを、新たな高みに持って行くことが僕たちの責任だと感じております」と決意をにじませた。

 

 赤と白のストライプという基本デザインは変わらない。「デザインに関しましては、日本代表初のベスト8入り、日本がひとつになった証である2019年ジャージーのデザインアイデンティティー、レガシーを継承しました」と石塚氏。ストライプの線が1本増え、襟なし丸首となるなどマイナーチェンジはあったが、“錯視効果”をもたらす谷型(前面)と山型(背面)のデザインは踏襲された。

 

 再生と継承の新ジャージー。7月15日、熊本で開催される「リポビタンDチャレンジカップ2023」の対オールブラックス・フィフティーン(ニュージーランドシニア代表に次ぐチーム)戦が初陣となる。

 

(文・写真/杉浦泰介)