(写真:昨年4月に開催された国内選手中心の無差別級トーナメントを制したマハムード・サッタリも参戦 ⓒK-1)

 K-1の旗揚げは1993年4月30日、東京・国立代々木競技場第1体育館。フジテレビが主催するイベント「ライブUFO」内で開かれ、初の無差別級トーナメントを制したのはクロアチアのブランコ・シカティック(当時38歳、2020年に他界)だった。

 あれから30年が経つ。

 それを記念して、9月10日、横浜アリーナ『ReBOOT~K-1 ReBIRTH~』でK-1ヘビー級が本格復活する。行われるのは「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」。

 

 8月8日、東京・渋谷区で開かれた記者会見において、その全貌が明らかになっている。

 ワンデイ・トーナメントに出場するのは次の8選手だ。

 

マハムード・サッタリ(イラン/K-1 WORLD GP 2022無差別級トーナメント優勝)

アリエル・マチャド(ブラジル/WGP Kickboxingライトヘビー級王者)

ヴァレンティン・ボルディアヌ(ルーマニア/キックボクシング・ルーマニア選手権3度優勝)

ミハル・トゥリンスキー(ポーランド/KOKヘビー級王者)

リュウ・ツァー(中国/2023年中国キックボクシング選手権90キロ級優勝)

シナ・カリミアン(イラン/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)

クラウディオ・イストラテ(ルーマニア/ISKA欧州ヘビー級王者)

ケリム・ジェマイ(ドイツ/ISKA世界スーパーヘビー級王者)

 

 イラン人のサッタリ、カシミアンはK-1のリングでおなじみの選手。だが、それ以外は日本のファンには、ほとんど知られていないファイターだ。それでも世界各地の格闘技プロモーションから推薦を受けての実績のある強者ばかり。ド迫力の闘いが期待できそうだ。

 果たして90年代、2000年代に醸されたK-1ヘビー級の熱気は蘇えるのか?

それは、トーナメントのファイトレベルにかかっている。横浜アリーナ決戦を凝視したい。

 

(写真:「KNOCK OUT」プロデューサーの宮田充氏<右>がK-1グループに電撃復帰し今後、「Krush」プロデューサーを務める。左はK-1プロデューサーのカルロス菊田氏 ⓒK-1)

 また、この日の会見では驚きの発表もあった。

『KNOCK OUT』のプロデューサーを務める宮田充氏が、K-1グループに電撃復帰。『Krush』プロデューサーに就任したのだ。今後、『Kurush』及び『K-1』軽中量級のさらなる活性化に尽力することになる。『KNOCK OUT』プロデューサーも当面の間、兼務する模様。

 K-1とKNOCK OUTの間に交流が生じれば面白いとも思う。

 

『燃える闘魂・アントニオ猪木展』

 

 話題をもう一つ。

 いま、東京・京王百貨店新宿店地下1階「on the Corner」で興味深いイベントが開かれている。

『燃える闘魂・アントニオ猪木展』─―。

 

(写真:53年前に撮影された懐かしい写真に見入る藤波辰爾 ⓒSLAM JAM)

 こちらは8月3日から始まっているのだが、その前日の2日にはメディア内覧会が開かれ猪木の弟子である藤波辰爾もゲストとして登場した。

 彼は、展示されている1枚の写真の前で足を止めた。

「これは懐かしい。まだ入門して間もなくて俺は17歳。付き人だったからねぇ。猪木さんは輝いていた」

 53年前の写真。

 1970年6月30日、福井駅前を27歳の猪木が歩く。その後方に、両手に重そうなトランクケースを持つ若き日の藤波が写っている。日本プロレス時代の巡業移動中のショット。東京スポーツのカメラマンが撮影したものだ。

 

 ほかにも数多くの初見の写真、猪木とモハメド・アリのガウン、アリから猪木に送られた手紙、闘魂棒、猪木が長嶋茂雄に贈ったメッセージ色紙、新日本プロレス初期のチケット等々……数多くの貴重な品を間近に見ることができる。

(写真:『燃える闘魂・アントニオ猪木展』は8月15日まで開催 ⓒSLAM JAM)

 また、同会場では「燃える闘魂×阪神タイガース」コラボタオル、アントニオ猪木生誕80周年(京王電鉄)記念きっぷ等、奇抜なオリジナル商品も販売。

 必見のイベントは15日まで。京王百貨店新宿店へ急げ!

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶8月18日(金)、東京・後楽園ホール/「RISE171」ライトヘビー級王座決定戦、南原健太vs.コントゥアラーイ・JMボクシングジムほか

▶8月19日(土)、東京・GENスポーツパレス/「Krush-EX 2023 vol.6」山浦力也vs.龍生ほか

▶8月19日(土)、東京・竹芝ニューピアホール/「HEAT52×AFC27」キック・ミドル級タイトルマッチ、アビラル・ヒマラヤン・チーターvs.ヤン・チャンウォンほか

▶8月20日(日)、東京・後楽園ホール/「Fighting NEXUS vol.32」渡部修斗MMA引退試合ほか

▶8月26日(土)、東京・大田区総合体育館/「RISE WORLD SERIES 2023 2nd Round」志朗vs.クマンドーイ・ペッティンディーアカデミーほか

▶8月27日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.152」壬生狼一輝vs.パク・ヒョンウほか

▶8月27日(日)、大阪・世界館「ACF 90th&91st」ERIKAvs.チェ・ソンウンほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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