(写真:昨年4月、日本人選手中心の『K-1無差別級トーナメント』で優勝したマハムード・サッタリ<右>。左は“レジェンド”ピーター・アーツ ⓒK-1)

 新体制となったK-1における初のビッグイベントが目前に迫っている。

 9月10日、横浜アリーナ『ReBOOT ~ K-1 ReBIRTH ~』。

 全15試合が行われるが、今回の目玉はヘビー級ファイトの復活、『K-1 30周年記念無差別級トーナメント』である。6カ国のキックボクシング団体から推薦された8人の重量級戦士たちが1Dayトーナメントで優勝を争うことになる。

 

 1回戦の組み合わせは、次の通り。

▶第5試合

マハムード・サッタリ(イラン/K-1 WORLD GP 2022無差別級トーナメント優勝)vs.クラウディオ・イストラテ(イタリア/ISKA欧州ヘビー級王者)

▶第6試合

シナ・カリミアン(イラン/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)vs.ケリム・ジェマイ(ドイツ/ISKA世界スーパーヘビー級王者)

▶第7試合

ミハル・トゥリンスキー(ポーランド/KOKヘビー級王者)vs.アリエル・マチャド(ブラジル/WGP Kickboxingライトヘビー級王者)

▶第8試合

ヴァレンティン・ボルディアヌ(ルーマニア/キックボクシング・ルーマニア選手権3度優勝)vs.リュウ・ツァー(中国/2023年中国キックボクシング選手権90キロ級優勝)

 

 試合はすべて3分×3ラウンド、ドローの場合は延長ラウンドで決着がつけられる(延長ラウンドはマスト判定)。準決勝は第11、12試合、そして決勝はメインイベント(第15試合)で行われる流れだ。

 

 サッタリとカシミアンは日本のファンにおなじみだが、ほかの6選手はファイトスタイルも未知な部分が多い。そのためトーナメントの行方を占うのは困難だ。

 ただ実績十分な選手ばかり、ヘビー級ならではの「一撃」で勝負が決まる衝撃シーンも観られよう。また3試合を闘い抜くためには、いかにスタミナを消耗することなく勝ち上がるかも重要なポイントとなる。

 

 果たして決勝まで勝ち上がってくるのは─―。

 

 思い起こすのは30年前、1993年4月に開催された第1回K-1トーナメント(『K-1 GRAND PRIX 93~10万ドル争奪世界最強トーナメント~』)。

 日本人エースだった佐竹雅昭(正道会館/当時)が優勝し新時代の扉を開くのかと思いきや、決勝に勝ち上がったのは“クロアチアの英雄”ブランコ・シカティックとアーネスト・ホースト(オランダ)だった。最後はシカティックが1ラウンドでKO勝利し、観る者を圧倒した。ここからK-1人気が爆発したのである。

 

(写真:1回戦でマハムード・サッタリと闘う“剛腕”クラウディオ・イストラテは、ISKA欧州王者で豊富なキャリアを誇る。ルーマニア生まれ、イタリア国籍で戦績58勝(32KO)21敗3分け ⓒK-1)

 あの時のようなワクワク感が募る。

 K-1新時代のスターファイターになるのは誰なのかも気になるが、それ以上にファンはヘビー級ド迫力ファイトを期待している。8人の漢たちは魅せてくれるか─―。

 

 また、9・10横浜アリーナでは『ReBOOT~K-1 ReBIRTH~』終了後、18時からは桜庭和志が主宰するグラップリングイベント『ReBOOT~QUINTET.4~』が行われる。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶9月10日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2023 5th ROUND」&「DEEP JEWELS 42」DJ.taiki vs.上田直毅ほか

▶9月16日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2023 vol.4」REDスーパーライト級王座決定戦、良太郎vs.バズーカ巧樹ほか

▶9月17日(日)、兵庫・リングソウル/「ACF 92nd&93rd」タイヤファイトジャパントーナメント2023ほか

▶9月18日(月・祝)、東京・後楽園ホール/「DEEP 115 IMPACT」大島沙緒里vs.パク・シユンほか

▶9月18日(月・祝)、東京・有明アリーナ/プロボクシングWBC・WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ、寺地拳四朗(BMB)vs. ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)ほか

▶9月23日(土・祝)、東京・後楽園ホール/「SHOOT BOXING 2023 act.4」笠原友希vsシンダム・サンライズジムほか

▶9月24日(日)、さいたまスーパーアリーナ/「RIZIN.44」クレベル・コイケvs.金原正徳ほか

▶9月24日(日)、東京・後楽園ホール/「PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.6」石井逸人vs.堀内佑馬ほか

▶9月24日(日)、東京・立川ステージガーデン/「PANCRASE 337」フェザー級王座決定戦、亀井晨佑vs.新居すぐるほか

▶9月29日(金)、東京・後楽園ホール「Krush.153」スーパーフェザー級タイトルマッチ、
中島千博vs.髙橋直輝ほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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