日本とフィリピンとインドネシアの3カ国共催の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」順位決定ラウンド・グループOが沖縄アリーナで行われ、FIBAランキング36位の日本代表(AKATSUKI JAPAN)が同64位のカーボベルデ代表を80-71で破った。日本はグループO1位で今大会の19位以上、アジア最上位が確定。アジア枠でのパリオリンピック出場権を獲得した。

 

 フル出場ホーキンソン、29得点7リバウンド4ブロック(沖縄アリーナ)
日本代表 80-71 カーボベルデ代表
【第1Q】17-19【第2Q】33-18【第3Q】23-18【第4Q】7-16

 

 勝てばパリオリンピックの切符が手に入るゲーム。スターティングファイブはPG河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)、SG比江島慎(宇都宮ブレックス)、SF馬場雄大(前テキサス・レジェンズ)、PF渡邊雄太(フェニックス・サンズ)Cジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)だ。

 

 まず日本を引っ張ったのが、この大会でオリンピック出場権を獲得できれば代表引退を明言していた渡邊。2分過ぎ、速攻から比江島のパスを受け、左手でリングに叩き込んだ。相手のファウルも誘い、バスケットカウントでワンスロー。3点プレーで日本に勢いをもたらす。

 

 その後、カーボベルデに逆転を許し、リードされる展開が続いた。それでもPG富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)、SG富永啓生(アメリカ・ネブラスカ大)らのスリーポイントシュート(3P)が決まり、17ー19で第1Qを終えた。

 

 第2Qに入ると、日本の攻撃力が爆発した。河村のスピード溢れるドライブ、ホーキンソンのインサイドでの存在感は増し、スコアを重ねていく。富永は3本スリーを含む5本のシュートをすべて成功させた。このQは33得点を挙げ、13点リードでハーフタイムを迎えた。

 

 第3Qも依然として日本のペースだ。馬場のレイアップで得点を50点に乗せると、その後も速攻からの馬場のダンク、ホーキンソンの3点プレー。富永が2本のスリーを沈めるなど、最大20点差を付けた。このQ終了時点で73-55と18点をリードした。

 

 しかし第3Q残り2分から止まっていた日本の得点が動かない。それまで高確率で決まっていたシュートはことごとく外れ、7分過ぎに比江島がフリースロー1本入れるまで約10分の間に点差は74-68と迫られた。さらに3点返され、スコアは3点差に。

 

 この窮地を救ったのがホーキソンだ。ゴール下で比江島のパスを受けると、相手のファウルを受けながらゴールを決めた。フリースローも確実に入れると、残り20秒で試合をほぼ決定づける3Pを射止めた。これで9点差。数秒後カーボベルデの3Pがリングに嫌われた。PG河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)がリバウンド。そのままフロントコートまでボールを運ぶと、時計の針はゼロになった。

 

 東京大会に続き、2大会連続8回目のオリンピック出場が決まった。自力での出場権獲得は1976年モントリオール大会以来だ。

 

(文/杉浦泰介)