17日、日本バスケットボール協会傘下の日本リーグ機構(JBL)は、同日の理事会ならびに総会において、当機構の解散が承認されたことを発表した。JBLは95年秋に設立され、12年間、日本のトップリーグを運営してきた。
(写真:解散報告の記者会見に出席したJBLの幹部)
 今回の解散は今秋予定されている新トップリーグ・日本バスケットボールリーグのスタートに合わせたもの。同リーグの運営はJBLから新組織の日本バスケットボール委員会に継承される。解散報告の記者会見に出席した蒔苗昭三郎JBL会長はこれまでの12年間の活動を振り返り、「今秋にスタートする新トップリーグの土台作りは、JBLの12年間でやりとげた。地方のファンもJBLをあたたかく見守ってくれたと思う。そして、新リーグへの期待感は非常に大きいと感じている」と満足そうな表情で語った。

 だが、新運営組織へ移行する意味がはっきりしない。新運営組織の人事に話が及ぶと蒔苗会長は「(幹部職の)人選については協会が独自に考えて、協会の理事会が決定するものとJBLとしては考えています」と自身が協会の副会長でありながらも、客観的な答弁。その後も「協会が新しい視点で考えていかれることだと思っている。したがって、(新機構に)私が委員として入るかどうかは協会側が決定する。私自身には新組織の人事に思案がないわけではありませんが、今ここで発表するわけには参りません。(メディアには)ご満足していけないとは思いますが……」と不明瞭な発言に終始した。会長の言葉から判断すれば、幹部職に大きな変更が行われない可能性がある。仮にそうなれば、新しいトップリーグに合わせて運営組織を一新する意味が見えてこない。

(写真:記者の質問に答える蒔苗会長) そもそも、新トップリーグについても不明瞭な部分が多い。協会は当初プロリーグをうたっていたが、フタを開けてみるとプロは8チームの中でオーエスジーら3チームのみ。協会は将来的なプロ化を念頭に置いているようだが、プロへ移行しなかった5チームの反対にあい、実現は難しい状況だ。5月12日には、プロチームの一つであるオーエスジーが07年度限りの脱退届を協会に提出した。オーエスジーはかねてから協会と対立関係にある新興プロリーグ・bjリーグへの転籍を検討していて、脱退届が受理されれば実行に移すものと見られている。そうなれば、協会にとっては大きな打撃となる。

 会見で蒔苗会長は「JBLの12年間の中で、個人的には06年夏に開催した世界選手権が22万人以上のお客様でにぎわい、盛況の下で終わったことを本当に喜んでいる」とも話したが、同選手権では約13億円の赤字を出し、執行部の責任問題にまで発展した。この赤字補填を処理するために開かれた4月22日の評議会では反執行部派が出席を拒否し、流会。今の協会は異例の混乱におちいっているが、果たして、新運営組織の歯車は滑らかに回転するのか。