10月28日、29日と宮城県松島市内で開催された「心の震災復興 第17回松島マリンカップシニアサッカーフェスティバル」に参加してきました。今回は、僕が思うシニアサッカーの魅力について語ります。

 

 6戦負けなし!

 

 妻を助手席に乗せて、僕の運転で松島市に向かいました。妻は観光メインで松島の絶景を楽しんできたようです。

 

 千葉四十雀SCというオーバー60歳チームとFC八千代オクトパスというオーバー50歳チームの試合に出場しました。シニアサッカーの場合、オーバー60といっても59歳になる年からエントリーできるようです(学年計算のようです。僕は早生まれ)。

 

 四十雀60は優勝、八千代オクトパス50は準優勝でした。3試合ずつ計6試合をこなしましたが、なんと負けなし。センターバックで出場した僕としては、一定の役割を果たせたのかなと思います。青森・八戸のチーム、仙台育英OBを中心としたチームも、皆さん60歳を過ぎているのですが、まあ走る走る(笑)。うちのチームも負けていませんが、皆さん、運動量は結構豊富でした。

 

 とはいえ、あまり激しいボディーコンタクトはありません。お互いケガをしても仕方ないし、暗黙のルールを弁えて楽しくプレーできました。勝負にこだわり過ぎてピリピリするのではなく、空気を察しつつお互いを尊重し、楽しくプレーできるのがシニアサッカーの魅力の1つ。相手がいてくれて初めて、サッカーができるんです。皆さん、非常に紳士的ですよ。

 

 1日目の夜はレセプションが開かれました。マリンカップの主催者の方々がお酒とオードブルを用意してくれて、飲みながら他チームの方とも歓談ができました。レセプションがお開きになると、各チームの部屋飲みがスタート。“大人の修学旅行”と言った感じでしょうか。チームメイトと楽しい時間を過ごせました。

 

 焼き牡蠣とホタテ

 

 2日目は宮城県サッカー協会関係者の方々が、焼き牡蠣とホタテを用意してくれました。みんな、1個ずつ食べられるのですが、これが絶品でしたね。プレーを楽しみ、地方の美味しいものをみんなでわいわい喋りながら食べる。シニアサッカーの遠征の醍醐味はこれだなと、改めて実感しました。運転して帰らないといけないので、焼き牡蠣にあわせてお酒が飲めなかったのが、ちょっと残念ではありましたが(苦笑)。

 

 サッカーをきっかけに若い頃に出会った仲間が、サッカーをきっかけに再会し、プレーを楽しむ。そして、反省会と称した飲み会もまたシニアサッカーの素晴らしい”文化”です。

 

 現在、僕はだいたい隔週で練習試合や他チームとの合同練習に参加しています。シニアサッカーを始めた当初は筋肉痛になったりしましたが、今は6試合をこなしてもなんともありません。体が若返ったことを実感しています。来月の5日も練習試合に行ってきます。アントラーズがつまんなくなっちゃったから(愛のムチです。本当は大好き。苦しい時期だけど頑張れ)、自分でプレーして楽しみを見出すしかありません。

 

●大野俊三(おおの・しゅんぞう)

<PROFILE> 元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザの総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。

*ZAGUEIRO(ザゲイロ)…ポルトガル語でディフェンダーの意。このコラムでは現役時代、センターバックとして最終ラインに強固な壁を作った大野氏が独自の視点でサッカー界の森羅万象について語ります。


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