１日、プロ野球の日本シリーズ第４戦が兵庫・甲子園球場で行われ、阪神がオリックスに４対３でサヨナラ勝ち。これで通算成績を２勝２敗とした。第５戦は２日、甲子園で行われる。

 

　湯浅、８回表に１球でピンチ摘む（２勝２敗　甲子園）

オリックス

３＝０１０｜０００｜２００

４＝１１０｜０１０｜００1X

阪神

勝利投手　岩崎（１勝）

敗戦投手　ワゲスパック（１敗）

 

　甲子園初戦を落とした阪神。前夜は最後のバッターとなった４番・大山悠輔が、今度はサヨナラ打のヒーローとして熱戦に終止符を打った。

 

　阪神は初回、オリックス先発の山﨑福也から１死二塁のチャンスをつくった。ここで前日２安打２打点で上り調子の３番・森下翔太が打席に立った。森下は左中間を破るツーベースを放ち、阪神が先制点をあげた。追いつかれた直後の２回裏には近本光司にタイムリーが飛び出し、再びリードした。

 

　阪神先発の才木浩人は、２回に追いつかれたものの力強い真っすぐを投げ込み、５回１失点でマウンドを降りた。５回裏には１死一、三塁で大山がショートゴロで全力疾走。ゲッツー崩れの間に三塁ランナーが還り、リードを広げた。

 

　６回表からは阪神は継投策に入った。桐敷拓馬が１人のランナーを出したが３－６－３のゲッツーで凌いだ。しかい回またぎとなった７回に落とし穴が、先頭の廣岡大志のゴロをサード佐藤輝明が弾き、出塁を許すと流れはオリックスに。１死二、三塁にチャンスを広げられると、２番・宗佑磨がセンター前ヒットを浴び、同点に追いつかれた。

 

　その裏、無死一、二塁から中野拓夢が送りバントを失敗。続く森下、大山が凡退し、嫌な流れが漂う。前の回から登板している３番手・石井大智が、先頭にヒットを打たれ、１死一、三塁のピンチを迎えた。オリックス中嶋聡監督がT-岡田を代打に送ると、ここで岡田彰布監督は左の島本浩也を起用。すると中嶋監督は代打の代打で右の安達了一にかけた。

 

　島本が安達をサードゴロに仕留めると、岡田監督はマウンドに湯浅京己を送り出した。４カ月ぶりの１軍登板、日本シリーズ初出場だ。しびれる場面にもかかわらず笑顔でマウンド上がると、一球入魂とばかりに内角低めの直球でセカンドフライに打ち取った。そのまま笑顔でマウンドを降り、流れを手繰り寄せる。

 

　９回は守護神・岩崎優がゼロで抑えた。その裏、阪神は１死後、コントロールの定まらないジェイコブ・ワゲスパックから近本がフォアボールを選ぶ。続く中野拓夢の打席でオリックスバッテリーが２度のワイルドピッチ。近本は三塁へと進んだ。ここでオリックスベンチは中野、森下を申告敬遠で満塁策を取った。

 

　打席には大山。前夜は２死一、二塁の場面で平野佳寿に空振り三振に仕留められ、最後のバッターとなった。この夜は３度の得点圏で空振り三振、内野ゴロ（打点１）、空振り三振と抑えられるなどノーヒット。４度目のチャンスで４番の意地を見せ、フルカウントからの７球目を弾き返した。打球は前進守備のショートの左を抜けた。近本がホームに還り、阪神のサヨナラ勝ちとなった。

 

　４番の一打で連敗を止めた阪神。湯浅の復活も含め、シリーズの流れを変える１勝となりそうだ。

 

（文／杉浦泰介）