31日、プロ野球の日本シリーズ第3戦が兵庫・甲子園球場で行われ、オリックスが阪神を5対4で下した。これで通算成績はオリックスの2勝1敗。第4戦は1日、引き続き甲子園で行われる。

 

 サード宗、2点タイムリー&好守(オリックス2勝1敗 甲子園)

オリックス

5=000|013|100

4=010|000|300

阪神

勝利投手 東(1勝)

敗戦投手 伊藤将(1敗)

セーブ  平野佳(1S)

本塁打 (オ)頓宮1号ソロ

 

 1勝1敗で迎えた第3戦、オリックスが敵地・甲子園に飲み込まれることなく勝ち切った。

 

 先発の東晃平は、日本シリーズ初登板。シーズン無敗で、1軍デビュー以来7連勝中の高卒6年目右腕に託した。23歳はキャッチャー若月健也のミット目がけ、キレのいいボールを放った。3回裏に内野ゴロに間に1点を失ったものの、バックの好守にも助けられながら5回を1失点とゲームをつくった。

 

 打線は4回表、この日4番に起用された頓宮裕真が、阪神先発・伊藤将司の真っすぐをバックスクリーン左に運んだ。今季パの首位打者による一発で同点に追いつくと、5回表には無死一、三塁で廣岡大志の内野ゴロの間に勝ち越した。その後2死一、二塁となり、2番・宗佑磨を迎える。この試合まで11打席ノーヒットの男は、右中間に弾き返し、2人のランナーが還った。

 

 甲子園で阪神も意地を見せる。3番手の山岡泰輔を攻め、7番・坂本誠志郎、8番・木浪聖也の下位打線が連打を放って、1死満塁のチャンスをつくった。2番・中野拓夢の内野ゴロの間に1点を返すと、3番・森下翔太の2点タイムリーが飛び出し、1点差に迫った。

 

 ここでオリックスは山岡に代え、宇田川優希にスイッチした。4番・大山悠輔に痛烈な打球をサード方向に飛ばされたが、ここは宗が瞬時に反応し好捕。回をまたいだ宇田川は8回をゼロに抑え、守護神・平野佳寿にバトンを渡す。ベテラン39歳の右腕は、代打・原口文仁と森下に四球を与えたが、大山に対し、フルカウントからのフォークで空振り三振に仕留め、自ら招いたピンチを断ち切った。

 

 オリックスは敵地で価値ある1勝。第1、2戦と当たりの出なかった頓宮、宗に長打が出たのは大きい。また宇田川、平野のブルペンがきっちり仕事を果たしたことは次戦以降にも繋がるだろう。一方の阪神は本拠地初戦を落としたものの、打線は2桁安打と復調気配。石井大智、桐敷拓馬の若手ブルペン陣がシリーズ初登板で好投したのは好材料だ。

 

(文/杉浦泰介)