第102回全国高校サッカー選手権大会決勝戦・青森山田(27大会連続29回目出場)対近江(滋賀、2大会連続3回目出場)の一戦が8日、東京・国立競技場で行われ、青森山田が3対1で勝利した。試合は前半33分、青森山田のMF福島健太が先制点を奪った。後半に青森山田は近江に1点を返されるが、16分にFW米谷壮史がゴールネットを揺らし勝ち越し。25分にはカウンターから近江のオウンゴールを誘い、青森山田が2大会ぶり4度目の選手権制覇を達成した。

 

 青森山田、フィジカルで圧倒(国立)

青森山田 3-1 近江

【得点】

[青] 福島健太(33分)、米谷壮史(61分)、オウンゴール(70分)

[近] 山本諒(47分)

 

 3842校の頂点を決める一戦は、2大会ぶり4度目の優勝を目指す青森山田と初優勝を目指す近江のカードとなった。会場には5万5019人の観衆が詰めかけた。

 

 前半33分、右サイドからMF杉本英誉が切り返し、左足でニアへクロスを供給する。これを福島が胸トラップから右足を一閃。ボールはゴール左サイドに突き刺さり、青森山田が先制した。

 

 近江は14番の浅井晴孔を中心に低い位置からでも果敢にドリブルを仕掛けるものの、青森山田の守備網に引っかかってしまう。

 

 ハーフタイムで近江が動いた。FW小山真尋、FW山本諒をピッチに送った。さらに、スリーバックの左を務めていた10番・金山耀太を一列前の左ウイングバックにあげた。

 

 近江は采配が的中する。2分、浅井が中盤で仕掛ける。左から右サイドに流れた金山にパスを送る。金山がグラウンダーのクロスを送るとピッチに入ったばかりの山本が押し込み、近江がスコアをタイに戻した。

 

 16分、DFラインの裏に抜け出した青森山田のFW米谷壮史がGKをかわし、冷静にゴールに流し込んだ。米谷はこの得点で今大会通算5得点目となり得点ランキングトップタイとした。さらに25分、青森山田が自陣コーナーキックからカウンターを仕掛け、オウンゴールを誘発し、リードを広げた。

 

 この後も青森山田がフィジカルと技術で試合を支配し、時計の針を敵陣で進めてタイムアップ。青森山田が2大会ぶり4度目の選手権制覇を達成した。

 

(文/大木雄貴)