24日、『JAPAN RUGBY LEAGUE ONE』(リーグワン)は2023-24シーズンの開幕メディアカンファレンスを都内で行った。リーグワンの玉塚元一理事長をはじめ、ディビジョン1・2・3の代表者23人が出席し、今季の意気込みを語った。また同日、昨季のリーグワン上位4チームがスーパーラグビー・パシフィックのチーフスとブルーズ(いずれもニュージーランド)と来年2月に対戦することも発表された。

 

 3季目を迎えるリーグワン。玉塚元一理事長は「世界の中のリーグワン」「更なるファン層の拡大」「ラグビーの価値を上げ、良さを広める」と3つのキーワードを掲げた。1つ目の「世界の中のリーグワン」について、こう語った。

「今、世界中でリーグワンに対する期待が高まっています。来年2月にはクロスボーダーマッチとして、スーパーラグビーのチーフスとブルーズが来日し、昨季のリーグワンのトップ4チームと対戦します。今後も世界のラグビーで、リーグワンをなくてはならないリーグにしていきたい」

 

 2つ目の「更なるファン層の拡大」の施策としては、日本ラグビー協会、リーグワン、ソニー、NTTドコモと、ジャパンラグビーマーケティングという会社を立ち上げたことを発表。「デジタル技術を駆使して、チケットを取りやすくするなど、更にファンを増やす工夫をします。各チームもノウハウができてきて、地域とも一緒に頑張っています。昨年は約75万人の観客動員でしたが、今季か、遅くとも4季目までには100万人を達成したい」と鼻息は荒い。今季も世界的ビッグネームがリーグワンにやってくる。観客動員増が見込めるだろう。3季目を迎え、各チームの集客アイディアにも注目が集まる。

 

 3つ目の「ラグビーの価値を上げ、良さを広める」ために「母体企業も、人材育成、教育的側面でのラグビーの価値観を応援してくださっています」と現状を説明した。「今後リーグワンを通じてさらにその価値を上げていきたい。ディビジョン1だけでなく、ディビジョン2、3にもすごい選手が入り、レベルも上がっています。ぜひ注目してください」と挨拶を締めくくった。

 

 カンファレンスはディビジョン3、2、1(カンファレンスA、B)の順に登壇し、各チームの代表者が意気込みを語った。注目は昨季初タイトルを手にしたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S船橋・東京ベイ)。キャプテンのCTB立川理道は「今季も取りに行くという気持ちでシーズンを始めた」と語った。「スピアーズの大きなFW、得点力のあるBKを生かして戦いたい」。初優勝を支えた南アフリカ代表(スプリングボクス)のHOマルコム・マークスはW杯中に負ったケガのため今季のスコッドからは外れた。代わりにニュージーランド代表(オールブラックス)90キャップのHOデイン・コールズを補強。新たに獲得したウェールズ代表95キャップのFBリアム・ウィリアムズと共に王者の底上げが期待される。昨季カテゴリーBだったPRオペティ・ヘルが同Aに代わり、昨季以上に起用の幅が増え、戦力に厚みが増した感はある。

 

 開幕戦は昨季と同じ東京サントリーサンゴリアスと対戦する。相手はスプリングボクスWTBチェスリン・コルビ、オールブラックス主将のFLサム・ケインらが加わった。「自分たちの100%をぶつけていくというマインドになっている」と立川。王者というよりは今季もチャレンジャー。そんな気概を感じさせる。プレシーズンは負けが続いたものの、17日の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦(40分×3本)は43-19で勝ち切った。「結果は出なかったですが、結果にフォーカスはしていなかった。小田原(相模原DB戦)では今までやってきたことが出せた」と調子も上げてきている。王座は奪うより、守る方が難しい――と言われることもあるが、S船橋・東京ベイはいかに。

 

(文・写真/杉浦泰介)