2日、ラグビーの関東大学対抗戦Aグループが東京・秩父宮ラグビー場で行われ、帝京大学が慶應義塾大学を54-10で下した。これで通算成績7戦全勝、勝ち点を34に積み上げ、3季連続12度目の優勝を決めた。

 

 帝京大は、この試合までに開幕から6連勝、慶大との最終戦は勝ち点1で積み上げれば優勝が決まる。もし8点差以上で敗れた場合は3日に行われる早明戦の結果を待つこととなる。

 

 序盤は慶大に自陣への侵入を許した。それでも先制は帝京大だった。17分、敵陣左で獲得しラインアウトのボールはジャンパーと合わなかったが、FL奥井章仁(4年)が拾い、そのままトライに繋げた。

 

 そこから勢いに乗り、WTB小村真也(3年)、LO尹礼温(4年)、SH李錦寿(3年)がトライを挙げ、FB山口泰輝(4年)のコンバージョンキックが決まった。前半は慶大の得点をPG1本だけに抑え、26−3で終えた。

 

 後半開始早々に1トライ1ゴールを返されたものの、9分にNo.8延原秀飛(4年)がラインアウトからインゴール右に飛び込んで慶大を突き放す。その後もCTB大町佳生(2年)、奥井、途中出場の五島源(3年)がトライ、山口がいずれもコンバージョンキックを決め、54−10で危なげなく勝利した。

 

 この結果により、対抗戦優勝が確定。全国大学選手権のAシードを獲得し、九州大学リーグ1位の福岡工業大学と関西Aリーグ3位の関西学院大学の勝者と準々決勝を戦う。

 

「慶應のひた向きさ、タフさを感じた試合でした。自分たちにはまだまだ成長できる課題がたくさんあると感じた。日本一に向けて、一丸となって頑張っていきたい」

 試合後、主将の江良颯(4年)は先を見据えた。「100%自分たちのやりたいことができたかというと違う。課題が見つかった。その課題を選手権に向け、クリアしていきたい」と副将の奥井が続く。対抗戦は他を圧倒しての優勝。それでも満足する様子は見られない。

 

 視線の先は、すぐ次へ。それは指揮官も同じだ。相馬朋和監督は試合後の記者会見で対抗戦優勝のコメントを求められると、「私が冒頭に対抗戦優勝についてコメントをしなかったからですね。大変失礼しました」と頭を下げると、こう続けた。

「チーム一同うれしく思っていますし、対抗戦優勝の価値は我々にとっても高いものです。ただ、勝った瞬間から気持ちが先に飛んでしまった。ここまで対抗戦を戦っていく中でチームは何段階も成長してきたと感じています。この成長を継続しながら、選手権を一戦一戦頑張っていきたい」

 

(文・写真/杉浦泰介)