ついこの間まで「暑い、暑い」と言っていたはずが、気づくともう12月。年齢を重ねるごとに時の流れが速まっているように感じる。

 大晦日決戦『RIZIN.45』も目前だ。

 同大会では最終的に十数試合が組まれるであろうが、現時点(12月8日時点)で10カードが発表されている。

 

▶RIZINバンタム級タイトルマッチ

フアン・アーチュレッタ(王者/米国)vs.朝倉海(JTT)

▶RIZINフライ級王座決定戦

堀口恭司(ATT)vs.神龍誠(神龍ワールドジム)

▶MMAルール/66キロ契約

クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)vs.斎藤裕(パラエストラ柏)

▶MMAルール/57キロ契約

扇久保博正(パラエストラ松戸)vs.ジョン・ドットソン(米国)

▶MMAルール/61キロ契約

太田忍(パラエストラ柏)vs.芦澤竜誠(フリー)

▶MMAルール/120キロ契約

スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT / PUREBRED)vs.上田幹雄(BRAVE)

▶MMAルール/49キロ契約

伊澤星花(Roys GYM)vs.山本美憂(KRAZY BEE / SPIKE22)

▶MMAルール/契約体重未定

三浦孝太(BRAVE)vs.皇治(TEAM ONE)

▶MMAルール/66キロ契約

弥益ドミネーター聡志(team SOS)vs.新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)

▶MMAルール/77キロ契約

イゴール・タナベ(セラヴィー)vs.安西信昌(TEAM CLIMB)

 

(写真:皇治<左>vs.三浦孝太の決定は11月24日の記者会見で発表された。両者が煽り合うことはなかった ©RIZIN FF)

 2つのタイトルマッチを筆頭に興味深いカードが揃っている。クレベルvs.斎藤の勝者は来年、フェザー級王座に絡むことになろうし、山本美憂はラストファイトを迎える。

 そして、2人の元K-1ファイターのMMAデビュー戦も見逃せない。

 芦澤竜誠と皇治だ。

 

 両雄は今年4月、大阪でキックボクシングルールの下、対峙した。

 大阪は皇治のホーム。よって会場となったインテックアリーナ大阪には熱狂的サポーター「皇治軍団」が大挙して詰めかけるも、その眼前で皇治は判定負け。試合後には、芦澤から「皇治軍団」を揶揄され、リング上で『ナマズ音頭』を熱唱される屈辱を味わった。

 

 この試合を最後に芦澤はMMAファイターに転向。皇治は一度「引退」を口にするも撤回、芦澤を追うように「MMAに挑戦する」と表明した。果たして2人は、この数か月間でMMAファイターとして、どこまで成長しているのか?

 

(写真:11月11日の対戦カード発表記者会見で舌戦を繰り広げた芦澤竜誠<左>と太田忍 ©RIZIN FF)

 特に気になるのは芦澤。いきなり実力者の太田忍に挑むのには驚いた。これは、RIZIN側から提案したマッチメイクではなく、芦澤の希望をRIZINと太田が受け入れたものだ。

「太田、圧倒的優位」の予想が大多数だが、芦澤は周囲を「アッ!」と驚かせる作戦を立てている模様。もし彼が無謀な挑戦で勝利したなら、「2024 RIZIN戦線」の主役格に躍り出よう。そして、今回の勝敗に関係なく来年には”因縁の再戦“芦澤竜誠vs.皇治がMMAルールの下で実現する可能性が高いと見る。

 

 また『RIZIN.45』には、平本蓮(剛毅會)、鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)、YA-MAN(TARGET SHIBUYA)、安保瑠輝也(MFL team CLUB es)、元谷友貴(ATT)も参戦予定。近日中に開かれる追加対戦カードの発表を楽しみに待ちたい。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶12月9日(土)、エディオンアリーナ大阪/「K-1 WORLD GP 2023 ~ ReBIRTH.2 ~」スーパーウェルター級タイトルマッチ、和島大海vs.オウヤン・フェンほか

▶12月9日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2023 vol.6」龍聖vs.ファク・スアレスほか

▶12月10日(日)、愛知・名古屋国際会議場/「HOOST CUP KINGS NAGOYA 14」松田龍聖vs.リティグライ・ゲーオサムリットほか

▶12月10日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE 174」バンタム級タイトルマッチ、鈴木真彦vs.大﨑孔稀ほか

▶12月10日(日)、大阪・ドーンセンターパフォーマンススペース/「ACF97th」ハンマー鈴木vs.キム・チョンヨンほか

▶12月10日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2023 7th ROUND」&「DEEP 117 IMPACT」ストロー級暫定王座決定戦、越智晴雄vs.佑勢乃花ほか

▶12月16日(土)、東京・両国国技館/「RISE WORLD SERIES 2023 Final Round」54キロ以下トーナメント決勝、クマンドーイ・ペッティンディーアカデミーvs.田丸辰ほか

▶12月17日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.156」町田 光vs.デンサヤーム・ウィラサクレックほか

▶12月17日(日)、大阪市阿倍野区民センター 大ホール/「プロフェッショナル修斗公式戦 Vol.9 in OSAKA」青柳洸志vs.奇天烈ほか

▶12月21(木)~24日(日)、東京・代々木第2体育館/レスリング「天皇杯全日本選手権大会」

▶12月24日(日)、横浜武道館/「PANCRASE 340」ウェルター級タイトルマッチ、林源平vs.住村竜市朗ほか

▶12月26日(火)、東京・有明アリーナ/プロボクシングWBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥(大橋)vs.マーロン・タパレス(フィリピン)ほか

▶12月31日(日)、東京・大田区総合体育館/プロボクシングWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ、井岡一翔(志成)vs.ホスべル・ペレス(ベネズエラ)ほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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