「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(リーグワン)のトヨタヴェルブリッツ(トヨタⅤ)は、ニュージーランド代表(オールブラックス)のSHアーロン・スミス、SO/FBボーデン・バレットが2023-24シーズンから加入した。共にオールブラックス120キャップを超える。花園近鉄ライナーズからジャパンのCTB/WTBシオサイア・フィフィタを獲得するなど、大型補強を敢行。初優勝へアクセルは全開だ。

 

「今シーズンの開幕が楽しみ。ワクワクしている」

 就任2年目のベン・ヘリングHCの鼻息が荒い。キャプテンのFL姫野和樹は「素晴らしい選手が来てくれた。これまでとは違ったラグビーをお見せできると思います」と語った。

 

 35歳のスミス、31歳のバレットはオールブラックスで3ケタのキャップ数を誇り、15年イングランド大会から3大会連続でW杯に出場。優勝、3位、準優勝と上位進出に貢献した。今回獲得した選手たちの中でも存在感は図抜けている。

「2人とも素晴らしい人間。経験豊富で既に合流してチームに貢献している。人としてプロとして皆から信頼されている。私は2人にここでの経験を楽しんで欲しい。ラグビー面も大事なことだが、外での生活を楽しめれば、フィールドにも繋がると思う」(ヘリングHC)

「スキルとスピードはもちろんですが、彼らのリーダーシップが素晴らしい。合流して間もないですが、意見やアイデアを出してくれたり、チームを良くするための影響力が高い。2人が来たことによって、偉大なリーダーシップを持つ2人が来たことで、(キャプテンの)自分としても助かっています。チームとしていい方向に進んでいる」(姫野)

 

 スミスは鋭く正確なパスを放る司令塔。ラン、キックのスキルも高い。バレットも万能型だが、特にスペースを創出するランスキルは世界でも有数だ。「自由さスピードを持ったプレーをしたい。9番とのコミュケーションになると思いますが、スペースを見つけて楽しみたい」とバレット。指揮官が「速い展開のラグビーができる。トヨタのフィジカルに高いスキルとスピードを組み込める」と口にすれば、姫野もこう続く。

「今年のトヨタはフィジカルの強みは変わらないが、そこにアーロンとボーデンがスキルフルで周りを生かすプレーがフィジカリティに磨きがかかる。スピーディーなラグビーもプラスし、エキサイティングなラグビーをお見せできると思います」

 対戦相手としては、このハーフ団を自由に動かさせてはいけない。トヨタVへの警戒レベルは上がっていくはずだ。

 

 

「日本一が大きなゴール。私たちのパッション、実行力を見られるような試合を展開し、ファンの皆様が誇りに思えるパフォーマンスを見せたい」とヘリングHC。初Vへの勢いを加速させるべくスミスとバレットがどんなプレーを見せるのか。9日の開幕戦は、SHスミスとSOバレットがスターティングメンバーに入り、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場でリコーブラックラムズ東京と対戦する。

 

(文/杉浦泰介、写真/©トヨタヴェルブリッツ)