(写真:2人でWowポーズをつくる後藤<左>と鎌田)

『JD.LEAGUE AWARDS 2023』が4日に行われ、ニトリJD.LEAGUE 2023 最高殊勲選手賞、新人賞、およびSocial Good賞が発表された。年間MVPに相当する最高殊勲選手賞は東地区・工藤環奈(ビックカメラ高崎ビークイーン)、西地区・後藤希友(トヨタレッドテリアーズ)が受賞。工藤は初、後藤は2年連続の受賞となった。

 

 名実共に日本のエースとなりつつある後藤は、最多勝(14)、最優秀防御率(0.83)、ベストナイン(投手)、Most Wow! Player of the Year(ニトリJD.LEAGUE 2023 レギュラーシーズンの全試合で実施したMost Wow! Player賞の受賞回数が最も多い選手)と合わせて今季個人5冠を達成した。2年連続のMVP受賞に対し、「この1年、最高殊勲選手賞を獲ることを目標にやってきました」と胸を張る。

 

 14勝1敗とチームに13の貯金をもたらし、勝率は9割を超える。奪三振も3ケタ(107個=西地区2位)と圧倒的な数字を残した。防御率は0点台ながら本人は「まだまだ納得いっていない」と更なる高みを目指している。

「来年度はもっとソフトボールの地位向上へ、自分自身、これ以上に頑張っていきたい」

 22歳のサウスポーは、女子ソフトボール、JD.LEAGUEの顔として、一層の飛躍を誓った。

 

 東地区のMVPにはビックカメラの主軸で24歳の工藤が選ばれた。「正直、獲れるとは思わなかったので、びっくりしている」と語ったが、今季打率4割9厘(同1位)、7本塁打(同4位タイ)、24打点(同2位)と好成績をマークした。自身初の首位打者賞を獲得し、2年連続のベストナイン(遊撃手)に輝くなど充実のシーズンを送った。

 

 青森県出身で、花巻東高校から2018年にビックカメラ高崎に入団した。入団5年目の昨季は打率3割5分6厘(リーグ3位)、10本塁打(同2位タイ)、23打点(同4位)とブレイクし、日本代表にもコンスタントに選出されるようになった。今年9月下旬から10月上旬にかけて行われたアジア競技大会(中国・杭州)では2本塁打を放つなど、持ち味のバッティング金メダル獲得に貢献した。来季はチームの主軸として、そのバットで王座奪還を果たすことを期待される。

 

 西地区で今季ブレイクした選手を挙げるならトヨタの下山絵理だろう。高知県出身の24歳はレギュラーシーズンで9本塁打、24打点と打撃2冠に輝き、リーグ4位タイの打率3割3分3厘と安定した成績を残した。打撃成績はいずれも昨季の打率2割7分1厘、5本塁打、21打点を上回るキャリアハイだ。

 

 今季は自身初のタイトル(最多本塁打賞、最多打点賞)に加え、ベストナイン(一塁手)も受賞した。ダイヤモンドシリーズ(DS)ではセミファイナルとファイナルで2戦連発。価値あるホームランを連日放ってDSでのMWPに輝いた。トヨタの馬場幸子監督は「元々長打力のある選手。今年は苦手なコースに対し、きちんと練習で取り組んできた」と成長の理由を説明した。「ずっと打点にはこだわってきた」と語る24歳。来季も勝負強いバッティングが発揮できれば、チームの連覇は見えてくる。

 

 トヨタの優勝で幕を閉じた今季のJD.LEAGUE。日本リーグからの連覇を止められたビックカメラ高崎もこのまま黙っていない。さらには4強入りを果たしたホンダ・リヴェルタ、豊田自動織機シャイニングベガ、プレーオフに進んだ日立サンディーバ、デンソーブライトペガサスなどリベンジに燃えているチームはひとつではない。来季の覇権争いも目を離せない戦いとなりそうだ。

 

BS11では、12月10日(日)19時に放送した「Wow!JDリーグ」をBS11+(ネット配信)にて配信中です。今季のダイヤモンドシリーズをプレイバックするほか、スタジオにはリモート出演で、トヨタの後藤投手と下山選手が出演しています。

 

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