「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(リーグワン)のトヨタヴェルブリッツ(トヨタⅤ)は14日、オンライン会見を行い、第2節・横浜キヤノンイーグルス(横浜E)戦出場予定のFL姫野和樹、SHアーロン・スミス、FBディック・ウィルソン、PR小池岳が意気込みを語った。

 

 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で、リコーブラックラムズ東京を15-8で破り、開幕戦白星を飾ったトヨタV。16日に敵地で横浜Eと対戦する。スターティングメンバーはNo.8ピーターステフ・デュトイとFB丸山凜太朗代わり、前節リザーブだったアイザイア・マプスアとウィルソンが入った。今節もスミスとSOボーデン・バレットのハーフ団で臨む。

 

 キャプテンの姫野は開幕戦をこう振り返る。

「点差的には満足いくものではなかった。でもフィットしてきている実感はありますし、チームの伸びしろを感じます。これからボーデンやアーロンのゲームメイカーとコミュニケーションを取って、コネクトがうまくいけば、もっとシャープでフィジカリティなラグビーができるかなと思っています」

 ニュージーランド代表(オールブラックス)で、共に120キャップ超のキャリアを刻んできたスミスとバレットの存在感は絶大だ。

「彼らは世界最高峰の9番と10番。スキル、スピード、フィジカルで素晴らしいものを持っている。一緒にいて思うのはコミュニケーション能力やリーダーシップ、チームをより良い方向に導いていく影響力がある」(姫野)

「試合の中での状況判断がすごい。FWは彼らの判断にすぐ反応し、激しいコンタクトプレーで前に出ることが求められる」(清水)

 

 次節に対戦する横浜Eは開幕戦で埼玉パナソニックワイルドナイツに大敗したものの昨季3位に入ったチームだ。今年2月にパロマ瑞穂ラグビー場で戦った際には、前半に退場者を出すなど規律面で苦しみ7-39で敗れている。「トヨタはチャレンジャー。勝利を奪い取りに行く。優勝を目標としている以上、倒さないといけない相手」と姫野は闘志を燃やす。まずは強みであるFW戦で優位に立ちたいところ。リザーブからチームに勢いをもたらすことが期待される清水はスクラムのポイントに「組むまでのセットアップ、いいかたちで相手にヒットすることに今季こだわっています」と意気込む。今季初先発となるウィルソンは「スペースを狙ったアタックを見せたい。守っては相手をヒットして押し返すプレーを見せたい」と語った。司令塔のスミスは「メンバーはスキルに溢れ、フィットネスの状態もいい。ボールインプレーの時間を長くし、容赦ないアタックを展開することができれば得点に繋げられる」と話した。

 

 この試合の注目は世界最高峰のSHが対峙することだ。トヨタVのスミスに対し、横浜Eはファフ・デクラーク。ブロンドの“猛獣使い”が南アフリカ代表をW杯連覇に導いたのは記憶に新しい。「ファフとはスーパーラグビー、代表戦で8、9年対戦している。素晴らしい選手。対戦が楽しみ」とスミス。「(自分とデクラークは)似ているようで異なる。自分はファシリテーターとしてスピードとパスを生かしてゲームをコントロールする。ファフはランゲームで相手のミスを誘うプレーに長けている。彼の守備力、激しいプレーには一目置いている。キックは彼の方が一枚上手だが、パスを使い、スペースを突いて速い展開に持ち込むのが得意」。9番の仕事は、「チームを勝たせること」と言う者もいる。2人の出来不出来が勝敗を分ける。

 

(文/杉浦泰介、写真/©TOYOTA VERBLITZ)