ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は23日、本拠地でのニューヨーク・ヤンキース戦で今季4度目の先発マウンドに上がった。松坂は8回途中まで108球、被安打7の6失点。メジャーデビュー後、最も悪い内容だったが、レッドソックスは打線が爆発し、7−6で勝利。松坂に2勝目が転がり込んだ。
 松坂にとっては貧打に泣いた2敗から一転、猛打に笑う1勝となった。

 初回、2死後にボビー・アブレイユに四球を許すと、アレックス・ロドリゲスに内角のストレートをぶつけて1、2塁のチャンスを与えてしまう。迎えた5番ジェイソン・ジアンビが外角の変化球を左中間に運ぶタイムリー2塁打。松坂は2死から2点を失う苦しい立ち上がりとなった。

 2回は三者凡退に抑えたが、3回も再び死球がらみで得点を奪われる。先頭のメルキー・カブレラがヒットで出塁すると、2番のデレク・ジーターに内角のストレートをぶつけてピンチを迎える。ここで初回に四死球で歩かせたアブレイユ、A・ロッドに対して、いずれも追い込んでから変化球で見逃し三振。松坂は窮地を脱したかにみえた。しかし、初回にタイムリーを放っているジアンビーが今度は内角の変化球を巧くすくう。打球はセカンドの後方にポトリと落ちる2打席連続のタイムリー。ヤンキースに1点を追加される。

 勝負どころで制球が定まらない日本人右腕を救ったのは過去3回の登板で平均得点が1試合あたり1.35点と振るわなかった攻撃陣だった。3回裏2死から4番マニー・ラミレスがレフトの“グリーンモンスター”を超える特大の本塁打を放つと、5番J.D.ドルー、6番マイク・ローウェル、7番ジェーソン・バリテックが次々と白球をスタンドに放り込む。メジャー史上5度目となる四者連続本塁打でレッドソックスが逆転に成功した。

 これでエンジンをかけたい松坂だったが、連敗中のヤンキース打線が再び襲い掛かる。5回、デレク・ジーターに対してすっぽ抜けたフォークをレフトスタンドに叩き込まれて追いつかれると、6回には連打を浴び、併殺打の間に1点を失って、5−6。再逆転を許す。

 しかし、宿敵ヤンキース相手に初戦、2戦目と逆転勝ちで波に乗るレッドソックス打線が粘りをみせる。7回、4回の四者連続弾に加わったローウェルが今日2本目となる起死回生の逆転3ラン。7−5と再びレッドソックスがリードする。

 大きな援護をもらった松坂は7回に2三振を奪い、3人で締めて打線の援護に応える。さらに球数が100球を超える中、メジャーでは初めてとなる8回のマウンドに上がる。先頭は初回の死球以降、無安打に抑えていた主砲A・ロッド。ところが今度はやや真ん中に入ったボールをライト前にはじき返され、走者を1塁に置いた状態で岡島秀樹にマウンドを譲った。

 レッドソックスはその後、継投でヤンキースの反撃を1点に食い止め、本拠地で迎えた今季初のライバル対決をスイープ(全勝)した。本拠地での初勝利をあげた松坂の次回先発は28日、敵地ヤンキースタジアムに場所を移してのヤンキース戦の見込みだ。注目はDL明けで24日から復帰予定の松井秀喜との日本人対決。なお、日本での対戦成績はオープン戦、オールスター、日本シリーズで17打数2安打、打率.118、本塁打1と松坂に軍配が上がっている。

 3回にチーム初の4連続本塁打 
ニューヨーク・ヤンキース 6 = 201011010
ボストン・レッドソックス   7 = 00400030×
勝利投手 松坂(2勝2敗)
敗戦投手 プロクター(0勝1敗)
セーブ   パペルボン(6S)
本塁打   (ヤ)ジーター1号ソロ
       (レ)ラミレス2号ソロ、ドルー2号ソロ、ローウェル2号ソロ、3号3ラン、バリテック2号ソロ
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