15日、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は都内で「ラグビー日本代表強化プランに関するメディアブリーフィング」を開催した。1月1日付でジャパン(ラグビー日本代表)のHCに就任したエディー・ジョーンズ氏が自らの強化プランについて熱弁を振るった。

 

 ほぼ定刻通りにスタートしたジョーンズHCの“講義”は、12月14日の記者会見でも飛び出したコンセプトの「超速ラグビー」についてのものだった。

「日本の核となるアイデンティティ。南アフリカと対戦する時は必ずフィジカルなゲームとなり、30回キックを蹴ってくることが予測できます。ニュージーランドは世界一カウンターアタックが巧いチーム。日本代表と言えば、速くプレーする。それが分かるプレースタイルに変えていきたい。それは動きだけでなく、考えるスピードも上げていかないといけない」

 

 スライドショーを用い、数字やキーワードを交え、約20分間熱弁した。

「身体の大きさを劇的に変えることはできない。変えられるのはスピード。もっと速く動けるようにトレーニングをしていく」

 速度向上のために、AIを導入したトレーニングや“目のスキル”を高める施策も取るつもりだ。

「今まで見たことがない日本チームをつくりあげていく。ジェイミー・ジョセフHC、トニー・ブラウンAC、長谷川慎ACがつくりあげてきた土台を元に強化する。世界一速いラグビーをするチームになれば世界一になれないことはない」

 

 またジョーンズHCは「一貫性」という言葉を度々口にした。ラグビースタイルの一貫性、セレクションの一貫性、一貫性を持ったチーム……。JRFUの土田雅人会長も「ユース世代、U20、U23と一貫性のある育成は喫緊の課題」と話していたが、ジョーンズHCは既に高校日本代表、U20日本代表との監督・HCとも連携を取っているという。「全チームでリンクさせていく。どの世代のチームも我々がやりたいラグビーをできる選手を選ぶ」と統一したラグビースタイルで臨む方針を示した。

 

 ジャパンの本格始動は6月を予定しているが、近日中にトレーニングスコッドを招集してのミニキャンプを実施するという。そこで「超速ラグビー」の実技講習が選手たちに伝えられるのであろう。

 

(文・写真/杉浦泰介)